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HKT48卒業「矢吹奈子」声の小さい小学生が “天使の歌声” で韓国の人気者に…記者が目撃した成長物語

SmartFLASH

 当時の矢吹は、一人では何もできなかった。小学生なのだから仕方がない。

 

 私が初めて取材したのは2013年12月。メンバー数人による座談会形式だったが、矢吹の声は小さすぎて、1~2メートル先のICレコーダーまで届かないレベルだった。笑顔を見せることもなく、ただただ緊張しており、他のメンバーのフォローがないと取材が進まなかった。

 

 その数カ月後。指原と矢吹をペアで取材した。矢吹は隣にいる先輩を「さしこちゃん」と呼んでいた。

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 指原は先輩と後輩の上下関係をなくすため、HKT48内に “敬語禁止令” を発令していた。それが功を奏したのか、矢吹は指原にはすっかり懐いていて、数か月前には見ることがなかった笑顔にあふれていた。

 

 インタビューでも言葉をしっかり発せられるようになり、自己表現ができるようになっていた。

 

 その後の矢吹は急成長。選抜総選挙にもランクインするようになり、2018年には日韓合同アイドルグループ「IZ*ONE」のメンバーになった。

 

 オーディションでは「天使の歌声」と称され、韓国での2年半の活動で女性ファンが急増した。メンバーとの合宿生活で韓国語もマスターした。

 

 期間限定の活動と決まっていた「IZ*ONE」は、当初の予定どおり、2021年4月に解散。矢吹は福岡へと舞い戻った。

 

 矢吹の腹は決まっていた。韓国で学んだことをHKT48に取り入れることが自分の使命である、と。MV撮影では、矢吹が中心となり、振り付けを指導。ダンスをモニターで徹底的にチェックし、揃えるまでやり直しをさせた。

 

 取材で何も答えられなかった少女は、グループのダンスリーダーに成長していた。とはいえ、それぞれが別物と理解し、HKT48をK-POP色に染めることはしなかった。

 

 卒業後は女優を目指す。卒コン後におこなわれた囲み取材では、「大きな目標だけど、朝ドラのヒロインをやりたいです」と将来を見据えた。

 

 アイドルとして成長する姿を見せてくれた矢吹。女優としてどんな成長譚を見せてくれるのだろうか。

 

取材・文/犬飼 華

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