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台湾総統・米下院議長会談、中国の対抗措置に見るその思惑とは

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 台湾情勢でペロシ劇場第二幕がやってきそうな様相だ。中国当局は3月30日までに、台湾の蔡英文総統が国交のあるグアテマラとベリーズを訪問した後にカリフォルニアでマッカーシー米下院議長と会談することについて、「台湾海峡の安全を脅かす挑発行為であって対抗措置を取る」と強くけん制した。一方、米国家安全保障会議(NSC)のカービー戦略広報調整官は、「蔡英文氏がアメリカに立ち寄ることは正式の訪問ではないので、中国はこれを口実に台湾海峡周辺で攻撃的な活動を加速させるべきではない」と中国に自制を呼びかけた。

◆昨年8月の再来か
 昨年8月初め、当時のペロシ米下院議長が台湾を訪問したことがきっかけで、中国は台湾本土を取り囲むように大規模な海上軍事演習を行い、大陸側から複数のミサイルを発射した。その一部は日本の排他的経済水域(EEZ)内にも落下するなど、軍事的緊張が一気に高まった。当時バイデン政権もペロシ氏の訪問には頭を悩ませたようだが、習政権は事前に、訪問すれば対抗措置を取るとけん制していた。同じ米下院議長をめぐる問題であることから、昨年8月の再来があり得るのだろうか。

◆中国はこれをどう考えるのか
 今回の会談と昨年8月が異なるのは会談場所だ。今回は台湾ではなくカリフォルニアで開催されたが、事前に台湾側が中国を刺激することになるとして会談をアメリカで行うことを打診していたという。ここでポイントになるのは、中国がその配慮をどのように解釈するかということだ。仮に、中国がその配慮を察知し、対抗措置としての軍事演習を行わないとなれば、中国側にも台湾問題で緊張を過度に高めたくないとの思惑があると想像できる。しかし、何もしなければかえって弱腰だと国内から不満の声が上がり、またアメリカや台湾に「政治的余裕」を与えかねないことから、対抗措置は目に見える形で行う可能性が高い。

 さらにポイントになるのは、どの規模の対抗措置を取るのかということだ。ここでは3つのケースが政治的に考えられ、その1つはカリフォルニアでの会談ということで昨年8月に比べてトーンを落とした「比例的な対抗措置」だ。仮にこのシナリオであれば、習政権には「過剰に緊張を高める必要はないがけん制はする必要がある」との思惑があると想像できる。2つ目は、昨年8月と同じレベルの軍事的対抗措置で、そこには「カリフォルニアだろうが台湾だろうが関係ない」という中国側の強い意思が考えられる。

 そして最も警戒すべき動きは、昨年8月を超える「過剰な対抗措置」だ。仮にこのシナリオになれば、中国側には「台湾問題では絶対に譲らない」「むしろこれを口実にさらに軍事的にけん制する」といった、より強硬な思惑があることが想像できる。このシナリオ通りになれば、我々は台湾有事という問題をもっと現実的に考えていかなければならないだろう。

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 いずれにせよ、カリフォルニアでの会談で中国がどのような姿勢、行動を示すか、これは今後の台湾情勢を見極める上で一つの試金石になるだろう。

 
   

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