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夢に向かう子を後押しした車いすバスケ選手のメッセージとは

パラサポWEB

シリーズ「パラスポーツと教育」では、パラスポーツ・パラアスリートからの学びが子どもたちに何をもたらすのか、さまざまな風景から迫ります。
第5回は、「パラスポーツの観戦」と「パラアスリートによる講演」の両方を学校行事に取り入れた東京都の小学校を取材しました。パラアスリートからのメッセージは、子どもたちにどう響いたのでしょうか。

車いすバスケットボールの選手が講演に来てくれる

さまざまなスポーツの大会が開催され、東京2020オリンピック・パラリンピックでも会場のひとつとなった東京体育館。そこからほど近い場所に位置する渋谷区立鳩森小学校の5・6年生(学年は取材時)の児童は、2023年1月に行われた「天皇杯 第48回日本車いすバスケットボール選手権大会(以下天皇杯)」を東京体育館で観戦し、車いすバスケットボールの迫力あるプレーを目の当たりにしました。

それから2週間ほど経った2月のある日、天皇杯に出場していた橘貴啓選手が、「あすチャレ!メッセンジャー」(プログラム提供:日本財団パラスポーツサポートセンター)の講師として、児童へ講演をするべく鳩森小学校を訪れました。実際に競技を観たときの興奮が記憶に新しい子どもたちは、選手を間近に見て緊張気味ながらも注目しています。

大会で使用していた競技用車いすで颯爽と登場した橘選手。そのスピードに児童から驚きの声が上がりました

「日本一」のチームを目指して

橘選手は、車いすバスケットボールのクラブチーム「NO EXCUSE」に所属。2015年からチームの一員として本格的に活動し、これまでに数々の試合で優勝すること実に12回。ほかにも多くの試合で準優勝や入賞を経験しています。しかしいまだ手にしていないのが車いすバスケットボールのクラブチーム日本一を決める天皇杯の優勝。「日本一」になりたいというのが橘選手やチームメイトの大きな目標です。

鳩森小学校の児童は、東京体育館で天皇杯を観戦した時の様子について、

「スピーディーな試合展開で、選手もすごくエネルギッシュで、おもしろかった」
「車いすがぶつかり合ってすごい迫力だった。観ていて楽しかった」
「バスケットボールと車いすバスケットボールはどんなふうに違うのか(最初は)わからなかったけれど、観てみたらどちらも選手がとても強くて、気持ちが入っているのが伝わってきた」

と振り返ってくれました。実際に迫力のある試合を目の当たりにして、その技術や熱量に触れたことが、心に熱く残っているようです。

真剣に橘選手の話に聴き入る5・6年生児童。この日は41名が参加

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結果、NO EXCUSEは準優勝。目標としていた優勝には惜しくも届かなかったものの、大きく健闘しました。「次は必ず日本一になる!」と早くも新たな意気込みを語る橘選手を、児童たちも応援しています。そんな児童たちに、橘選手はこの日の講演でどんなメッセージを送ったのでしょうか。

「なりたい自分」を思い描こう

この日講演を聴きに体育館に集まった5・6年生の児童たちに、橘選手はこう問いかけました。

「みんなは、夢や目標、ありますか?」
「夢を叶えるために、どんなことをしていますか?」

夢がすでにある子、これから見つける子とさまざまですが、なりたい自分を思い描くこと、そしてその自分に近づくことのよさを橘選手は児童たちに伝えます。

20歳の時に事故に遭い、歩けないだろうと医師に言われたとき、初めはなかなか受け入れられなかったそう。しかしもともと外に出かけるのが大好きだった橘選手は、また好きな場所に出かけたいと強く思い、そのために何が必要かを考えました。そして毎日リハビリを頑張り、うまくいかないことがあっても違う方法を試してみるなど、試行錯誤を重ねました。現在では少しなら歩けるようにまでなったそうで、いろいろなやり方で挑戦してどんどんできるようになっていくのが楽しかったと語ります。

多くの経験をしてきたからこそ、説得力のある言葉。実際にパラスポーツを観戦した児童にはより強く響きます

「こうなりたい」という夢や目標を思い描くことは、気持ちを前向きにし、挑戦する勇気をもつ第一歩だと言えるでしょう。それでも、夢を夢のままにしないためには、次の一歩、行動に移すことが必要です。今の自分となりたい自分。その間にどのくらいのギャップがあるのか、目に見える距離や時間で測ることはできない。だからそこには不安が生まれるのは当然だと橘選手は続けます。

夢の描き方も、人それぞれ
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