
ある高齢夫婦が気を揉んでいた、息子の離婚問題。子どもの親権と財産分与を巡り、調停で激しく争っていましたが、まさかの突然死。すると妻は、壮大な手のひら返しを行います。夫婦問題コンサルタントの寺門氏が、相談者から聞いたツラすぎる状況とは――。※本連載は、小川実氏監修、寺門美和子氏・木野綾子氏の共著書籍、『別れても相続人』(光文社)より一部を抜粋・再編集したものです。
息子を亡くした高齢夫婦、「息子の妻」に激怒したワケ
今回のケースでは、離婚調停中に夫が亡くなってしまいます。調停するくらいですから、すでに夫婦関係が破綻をしているのは火を見るより明らかです。
この状態で相続が発生するとどうなるのでしょうか? 配偶者は常に優先して相続人となり、その際、同居している必要もなければ、夫婦関係のよし悪しも問題とはなりません。戸籍上、配偶者であるだけで、法定相続人として確定する。つまり、離婚調停中だろうが裁判中だろうが、配偶者に変わりはないのです。
亡くなった夫の両親としては、大事な息子を傷つけた妻に遺産は渡したくない。何か打つ手はあるのでしょうか?
「嫁には、男がいたと思います」
寺門:ご連絡いただいた際、驚いて言葉に詰まってしまい申し訳ございませんでした。