だがそこは、さすがに芸能界ウン十年の大ベテラン。
「今は宝石よりも愛がほしいですね」
というナイスなコメントでかわし、窃盗犯に対しては、
「いい気になるなよ」
と新曲のタイトルをアピールするプロ根性で、報道陣を唸らせたものである。
ただ、その時点で彼女の手元に残ったのは、身に着けていたシャネルのイヤリングとエルメスの時計など数点のみ。まさに彼女にとって2000年は、夫に去られ、宝石を失うという悲運この上ない、忘れられない年となったことは間違いないだろう。
(山川敦司)
1962年生まれ。テレビ制作会社を経て「女性自身」記者に。その後「週刊女性」「女性セブン」記者を経てフリーランスに。芸能、事件、皇室等、これまで8000以上の記者会見を取材した。「東方神起の涙」「ユノの流儀」(共にイースト・プレス)「幸せのきずな」(リーブル出版)ほか、著書多数。