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南沙良、20歳の躍進を語る「プレッシャーを感じたり、壁にぶち当たったりすることなく、お芝居をただただ楽しんでいる」

MOVIE WALKER PRESS

昨年は『この子は邪悪』で主演を飾り、さらにNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で演じた源頼朝の愛娘・大姫役や、「JR SKISKI」など話題のCMで注目され、今年に入ってからも「女神の教室~リーガル青春白書~」に出演する快進撃を続けている南沙良。そんな彼女がNetflixにて世界独占配信中のドラマ「君に届け」では、主演で黒沼爽子に命を吹き込んでいる。

■「原作を読み直して、日常のなかに当たり前のようにある幸せが実感できる作品だと改めて思った」

原作は「別冊マーガレット」で2006年1月号から連載され、第32回講談社漫画賞(少女部門)を受賞した椎名軽穂の同名コミック。アニメ化や実写映画化、ゲーム化もされた人気の高い1作だ。長い黒髪と青白い肌のせいで周りから“貞子”と呼ばれ、クラスメイトとなかなか馴染めずにいた爽子が、クラスの人気者・風早翔太と接するうちに本来の自分を取り戻し、クラスのみんなとも徐々に打ち解けていく姿が描かれる。

漫画やアニメが大好きな南は、本作の原作も小学生の時に読んでいたそうで「クラスでも流行っていたんです。『風早くんがカッコよすぎるよね』って話をみんなでずっとしていました」と懐かしそうに振り返る。「でも、その時はあまりなにも考えずに読んでいたんです。今回撮影に入る前に読み返して、友情や恋が繊細に描かれているし、日常のなかに当たり前のようにある幸せが実感できる作品だなと改めて思いました」。

それだけに、監督を務めた『四月は君の嘘』(16)などの新城毅彦、『望郷』(17)などの菊地健雄と相談しながら、原作に忠実に爽子を演じることを心がけたという。「爽子ちゃんは一見暗そうですけど、本当は純粋でかわいらしい一面もあるし、すごく真っ直ぐで、自分の芯をしっかり持った女の子」と分析すると、「私も周りの人から『暗い』って言われることがあるので、そこは似ているけれど(笑)、爽子ちゃんほど真っ直ぐではないので、彼女が自分の気持ちをしっかり相手に届けるところはお芝居をしていてもすごくすてきだなと思いました。そこは背筋をシャキッとさせて臨みましたね」と笑顔を見せる。

風早翔太は『蜜蜂と遠雷』(19)の天才ピアニスト役や、ドラマ「silent」の“主成分優しさ”と言われる湊斗役で注目を集めた鈴鹿央士が演じている。「鈴鹿さんとはドラマ『ドラゴン桜』の第2シリーズでもご一緒させていただいたので安心感がありました」と全幅の信頼を寄せる。「鈴鹿さんは、普段からふわふわしたかわいらしい雰囲気で、透明感があるし、柔らかい笑顔をされる方だから、私はその笑顔にすごく癒されました。撮影の合間に雪合戦をしたのも楽しかったですけど、お芝居の面ではすごく引っ張ってくださって、完全に風早くんでした(笑)。特に漫画でも大好きだった席替えのシーンは風早くんの爽やかな笑顔に救われましたね」。

■「現場の空気や相手の芝居を肌で感じながら柔軟に動きたいので、芝居を固めすぎずに撮影に臨んでいる」

ドラマの前半では感情をあまり表に出さない爽子を演じる苦労もあったに違いないが、「お芝居をするのが楽しかった」という南の言葉からはそれがまったく感じられない。『幼な子われらに生まれ』(17)で俳優デビューして以来、話題の作品に次々に出演し、大河ドラマに出演したいという夢を早くも叶えてしまったが、そんな現状を南自身はどう受け止めているのだろうか。

「最近は『大河見たよ!』とか『駅のポスターで見たよ』って言ってくださる方が多いので、ありがたいなとは思います」と感謝の気持ちを述べたうえで、「私はとにかくたくさんお仕事がしたいので、このペースが速いと思ったことはないです。プレッシャーを感じたり、壁にぶち当たったりするようなことも全然なくて、お芝居をただただ楽しんでいますね」ときっぱり。ただならぬ器の大きさと生来の俳優の血を印象づける。

そもそも俳優になったのも、「具体的なきっかけがあったわけではないんです。自分じゃない誰かになりたいって漠然と考えていた時に、女優さんってすてきな仕事だなと思って。それが“なりたい”という気持ちに変わっていったんです」と述懐する。その言葉をそのまま体現するように、初主演映画『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』(18)では吃音に苦しむ難しい役を演じて脚光を浴びた。「『幼な子われらに生まれ』の現場で監督の三島有紀子さんから言われた『お芝居をしなくていい。相手の芝居に対して役を通して思ったことをそのままストレートに投げなさい』という言葉をいまでも大事にしていて。現場の空気や相手の芝居を肌で感じながら柔軟に動きたいので、芝居を固めすぎずに撮影に臨んでいます」と自らのスタンスを強く訴える。

それこそ大河ドラマの撮影も「先輩方が多かったので、緊張しながら演じましたが、所作や言葉遣い、セットが普段とは全然違ったし、自分の感じたことのない想いが大姫のなかにあったので、演じるのも楽しかったですね」とコメント。「大姫のような役をこれまで演じたことがなかったので、そこを楽しみながら演じていました」というから頼もしい。

■「新しいことを始めるのが大好きなので、なんでも挑戦したい」

ドラマ「女神の教室~リーガル青春白書~」では周りにも自分にも厳しいロースクール生の照井雪乃を演じたが、この役に関しても「普段使わない法律の専門用語が多いので、セリフを覚えるのに時間がかかったけれど、実際の生活ではあんなに堂々とした振る舞いはできないから、気持ちよかったですね」と語り、「自分じゃない誰かになれている瞬間、自分のことを考えずに済む瞬間がお芝居の魅力ですね」と喜びを噛みしめる。

そんな終始堂々とした発言を続けていた南だが、日本語吹替版キャストとして参加する『ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り』(公開中)の話をした時にはピュアな笑顔を見せた。本作は、中世ヨーロッパを彷彿させる世界を舞台に、盗賊のエドガンと相棒の戦士ホルガがある目的のためにただならぬ敵と戦い、立ちはだかる困難を乗り越えていく姿を描いた冒険ファンタジー。

南は主人公・エドガンの仲間で、いろいろな動物に変身できるドリックの声を担当したが、「もともとアニメが大好きですし、すごく好きな声優さんたちが参加されていたので、恐縮しました。恥ずかしかったですね」と言って顔をほんのり赤くする。今回は1人ずつ声を収録したようで、「そのようなアフレコでよかったです。本当に声優のみなさんが大好きなので、なかでも魔法使いのサイモンの声を担当される木村昴さんが大好きです…現場で一緒になっていたら、緊張しちゃってどうにもならなかったと思います(笑)」と、この時ばかりは1人のファンの顔になっていたのがかわいらしい。

それでも、仕事の現場を心から楽しむ南のスタンスは一貫していて、話題の「JR SKISKI」のCMで見せる彼女の笑顔やいつになくハイテンションな身のこなしからもそれが伝わってくる。「北海道で撮影したんですけど、雪山に行ったこともなかったし、スキーも初めてだったんです。すごく楽しくて、あの笑顔は素です」と笑いながら、「スキーってけっこう難しいんですね。でも、最後はちゃんと滑れました。私はわりと、やればできるタイプなのかもしれません」と胸を張る。

「なので、やったことのない役なら本当にどんな役でもやりたいという想いがありますし、新しいことを始めるのが大好きなので、なんでも挑戦したいという想いがあります」といまの素直な気持ちを言葉にした南。そこで、最近新しく挑戦したことは?と尋ねると、「先日、群馬県で40mの高さのバンジージャンプをやってきました!」という思いがけない答えが返ってきた。「ずっとやりたいと思っていたんですけど、すごく楽しかったです(笑)。次は、スカイダイビングにも挑戦してみたいです」。

どうやら、演じる役柄やアニメと漫画が好きという発言のせいで南のことを勝手にインドア派と決めつけてしまっていたが、本人はいたってアクティブ。「アクション映画もぜひやりたいです。戦いたいです。“戦う”のが大好きなので(笑)」と意欲的な表情を見せ、加えて「ギターがもともと好きで、ずっとやっていたんですけど、母の影響で最近始めたウクレレもすごくおもしろいです」と語り、さらに違う顔も覗かせる。ひょっとしたら、南沙良のことを本当は誰も知らないのかもしれない。本人も自分の内に眠る能力にまだ気づいていないのかもしれない。全方位に興味のアンテナを張っている彼女の前には、イメージに縛られない無限の可能性が広がっている。

取材・文/イソガイマサト
 
   

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