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豊島区制90周年ファイナル企画「ダイバーシティ」をテーマに猪狩ともか、鈴木おさむらがトークショーを開催

TOKYO HEADLINE

 豊島区が3月27日、池袋のサンシャインシティで区制90周年ファイナル企画となるスペシャルトークイベント「ひとりひとりがダイバーシティ~お互いを知ることからはじめよう~」を開催した。

 2022年に区制施行90周年を迎えた豊島区は同年を100周年に向けた「としま新時代」のスタートとなる1年と位置づけさまざまな事業やイベントを開催してきた。この日のイベントはそのファイナルとなるもの。「SDGs未来都市」と「自治体SDGsモデル事業」にダブル選定されている豊島区を象徴するような「ダイバーシティ&インクルージョン」をテーマとしたイベントとなった。

 MCを務めるのはYouTuber、タレントで経営者の顔も持つ難聴うさぎさん。難聴さんは生まれつき耳が聞こえず、補聴器と読唇術でコミュニケーションを取る日常を送るも、自身を知ってもらいたいという思いから、SNSで発信を始め、同じような境遇の人々に勇気と希望を届けるべく、活動の幅を広げている。

 トークショーは2部構成で行われ、第1部では作家の岸田奈美さんと作家で広告プランナーの浅生鴨さんが登壇。

 岸田さんは「母は下半身まひで車いす、弟は生まれつきダウン症で知的障害、祖母が認知症始まっちゃって、父は心筋梗塞で私が中学生の時に亡くなってしまった」という環境の中、『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』等といった家族との出来事を描いたエッセイを発表。『家族だから――』は5月にドラマ化の予定となっている。

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 浅生さんはNHK職員時代からパラスポーツの普及活動に携わり、障害者スポーツであるブラインドマラソンとブラインドアルペンスキーにかける競技者の情熱とそれに手を貸すサポート選手である伴走者の葛藤を描いた小説『伴走者』といった作品を発表している。

 第一部のテーマは、「“障害がない”とはどういうことか」。浅生さんは「ものを考える時に“何かがない”ということを考えると、その本質が分かる」と語ったうえで、障害とは以前は人に付属されていると考えられていたが、人ではなく社会の側がその人の行動を制限しているのではないか。それで“障害がない”ということはどういうことかをいろいろなケースで考えたい」などとこのテーマの意味を説明。

 岸田さんは車いすの母親と一緒にいる時の経験から「障害のことを話すときに、思いやりとか優しさとかいわれる。それは大事だが、“慣れ”ってめっちゃあると思う。ニューヨークでは、そもそも人種もいろいろいるし、貧富の差も大きい。人が多すぎるから他人に構っていられない。だから“あの人変だね”というのもない。」と語る。また、「ニューヨークは日本よりバリアフリーは進んでいない。地下鉄も40%くらいエレベーターが壊れている。街も古い施設が多いので自動ドアとかエレベーターがないところが多い。でも車いすとか目が不自由な方が普通に歩いていて。みんな忙しいから気にしてないが“ヘルプミー”と声をかけるとみんな手伝ってくれる。日本はどうか。いまだにベビーカーとか車いすの方にエレベーターを譲ってくれないことがバズっている。降りない人に聞いたら“一人だけ降りるのって偽善者みたいで恥ずかしい”とかどうしようと思っているうちに閉まってしまうみたいな。日本人は性格が悪いとか配慮がないのではなく、恥ずかしいんだと思う」と実体験からの感想を語ると、浅生さんは「日本人は“すいません”という言葉がすごく多い。僕にできることでその人が苦手なことがあれば僕がやるし、逆だったら任せるし。それだけの関係なのに“すいません、申し訳ない”という。申し訳なくないのになって思う」などと補足した。

 岸田さんは5月からのドラマで実際に車いすを使っている俳優が起用されたことを紹介し「ドラマとかメディアに車いすの方が出てきて何気なく見て慣れるというのはすごく大事だと思う」とも続けた。

 また難聴さんは「車いすの方がエレベーターに乗れないという話。みんなが手を差し伸べる街を作るにはどうしたらいい?」と聞くと浅生さんは「やはり、慣れること。恥ずかしがらずに、自分がそれをやる。他の人はそれに続けばいいと思って、最初の一歩を踏み出すということではないか」、岸田さんは「私は手を差し伸べるというのが好きではない。手を差し伸べるって、助けてあげるという感じがあるが、誰かの役に立てることほど、人生で良かったなと思えることってないと思っている。母のことも弟のことも介護しているとか支えていると思ったことはない。私というダメな人間が得たお金や人の縁を2人の役に立ててもらえるって、それだけでうれしい。生きていて良かったと思う。みんな誰かの役に立ちたいと思っていると思う。具体的にどうすればいいかは分からないが“ありがとう”という言葉は必要だと思う。助けようとしてくれた人に“大丈夫です”と言う時に一緒に言う “声をかけてくれてありがとう”とか。この“ありがとう”という一言だけで、私はいいと思う。“ありがとうという言葉を私が町中にあふれさせるぞ”という気概で一人一人が生きてほしいと思う」などとそれぞれ語った。

 第2部は「もっと知ってほしい もっと聞いてほしい」をテーマにアイドルグループ「仮面女子」のメンバー、猪狩ともかさんと放送作家の鈴木おさむさんがトークを展開した。

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