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Appleが映画館復興のカギに?マーティン・スコセッシ、マシュー・ボーン、リドリー・スコット監督作などを大規模配給

MOVIE WALKER PRESS

Appleが劇場配給映画に注力し、約10億ドル(約1300億円)の製作費をつぎ込む予定だと経済メディアのブルームバーグなどが報じた。記事では関係者の話として、今後数年間で「数千館の劇場で1か月以上」の上映を予定と伝えている。

Appleはマーティン・スコセッシの製作会シケリア・プロダクションズ、アダム・マッケイの製作会社ハイパーオブジェクト・インダストリーズ、レオナルド・ディカプリオのアッピアン・ウェイ、ロン・ハワードとブライアン・グレイザーのイマジン・エンターテインメント、A24、スカイダンス・アニメーションとスカイダンス・メディア、そしてシアン・ヘイダーといったスタジオやプロダクション、クリエイターとファーストルック契約を結んでいる。これらの契約製作会社のほかに、大規模配給のためにスタジオと配給提携すると見られている。

Appleとパラマウント・ピクチャーズは、マーティン・スコセッシ監督の『Killers of the Flower Moon』を10月8日に限定公開、Apple TV+でストリーミングされる前の10月20日に拡大公開すると発表。5月のカンヌ国際映画祭でのプレミアも視野に入っていると、カンヌ映画祭総代表のティエリー・フレモー氏がVariety誌の独占インタビューで明かしている。『Killers of the Flower Moon』は、石油利権を持つオセージ族の連続殺人事件捜査に基づくクライム・サスペンス。デビッド・グラン著のNYタイムズベストセラーノンフィクション「花殺し月の殺人 インディアン連続怪死事件とFBIの誕生」(早川書房刊)を原作に、スコセッシ監督と何度もタッグを組んでいるレオナルド・ディカプリオとロバート・デ・ニーロ、『アイリッシュマン』(19)のジェシー・プレモンスなどが出演する。なお、Appleとスコセッシ、ディカプリオは同じ原作者の「The Wager: A Tale of Shipwreck, Mutiny, and Murder」の映画化にも着手している。

そのほかにも、Appleの今後公開予定の作品群には数々の期待作・話題作が含まれている。『X-MEN: ファースト・ジェネレーション』(11)や「キングスマン」シリーズで知られるマシュー・ボーン監督の最新作『Argyle』は、ヘンリー・カヴィル、ブライス・ダラス・ハワード、サム・ロックウェル、ブライアン・クランストン、デュア・リパ、アリアナ・デボース、サミュエル・L・ジャクソンといった豪華アンサンブルキャストが揃うスパイスリラー。ほかにもリドリー・スコットがホアキン・フェニックスとヴァネッサ・カーヴィーを主演に迎えた伝記映画『Napoleon』などが控えており、このような作品も劇場で公開される可能性がある。

Appleが劇場公開作品に10億ドルの追加予算をかけるという報道の前には、アマゾンが年間12〜15本の映画の劇場公開を予定していると報じられていた。アマゾンは2022年にMGMスタジオを84 億 5000 万ドルで買収、米国内ではユナイテッド・アーティスツ、海外ではワーナー・ブラザーズが劇場配給を行っている。4月5日からは、ベン・アフレックとマット・デイモンによるNIKEのエア・ジョーダン開発物語『AIR/エア』(日本では4月7日公開)を劇場公開する。この2つのテック企業の映画館配給映画への注力報道を受けて、北米の映画館運営会社の株価が上昇するという連鎖反応が起きた。パンデミック以来北米の劇場興行収入は完全には復活しておらず、2022年には『トップガン マーヴェリック』や『アバター ウェイ・オブ・ウォーター』といった劇場大ヒット作が出て更なる繁盛が期待されているところ。Appleとパラマウント・ピクチャーズの動きは、映画館復興の力添えになるかもしれない。

文/平井伊都子
 
   

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