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【ネタバレあり】「スター・ウォーズ」らしいバトルで後半戦が幕開け!「マンダロリアン」シーズン3第5話レビュー

MOVIE WALKER PRESS

「スター・ウォーズ」の実写オリジナルシリーズとしてシーズン1&2が配信され、一躍人気を博した「マンダロリアン」。そのシーズン3がディズニープラスで独占配信中。MOVIE WALKER PRESSでは、本作の魅力をレビュー連載で徹底ガイド。今回は、「スター・ウォーズ」らしいバトルも展開する第5話「チャプター21 海賊」のレビューをネタバレありでお届けする!


※以降、ストーリーの核心に触れる記述を含みます。未見の方はご注意ください。

■いよいよシーズン3も後半戦!その前に最初の4話を振り返り

シーズン3も、いよいよ後半へ突入。この第5話で、今回のシリーズがどこへ向かおうとしているかが見えてきた。どうやらシーズン3には2つの大きな柱があるようだ。とりわけ重要な柱は、母星マンダロアを失い、いまや流浪の民と化したマンダロリアンの一派“チルドレン・オブ・ザ・ウォッチ”(以後、ウォッチ)によるマンダロリアンの再統合だ。

まずはシーズン3の最初の4話を振り返ってみよう。教義に背いた主人公ディン・ジャリン(ペドロ・パスカル)がウォッチを追われる第1話から、マンダロアで贖罪に挑んで成し遂げる第2話、マンダロリアンに復帰を果たす第3話へとドラマは発展。その過程で、背教者と見られていたナイトアウルの元リーダー、ボ=カターン(ケイティー・サッコフ)も禊を済ませたと認められ、ウォッチの一員となる。そして第4話では、ディン・ジャリンとボ=カターンが怪鳥から部族の子どもを救ったことで、ウォッチ内でさらに名を上げた。この前半の流れだけでも、シーズン3が過去2シーズン以上にマンダロリアンという種族に重きを置いているのがわかる。

マンダロリアンの結束という、ポジティブな要素の一方で、不穏な影もあった。前半4話の中で、異質だった第3話を思い出してほしい。このエピソードでは最初と最後こそ、ディン・ジャリンが主人公ではあったが、中盤の大半は新銀河共和国の中心地コルサントのドラマに割かれていた。かつて帝国に仕えていた人々の社会復帰をサポートする新共和国の恩赦プログラム。シーズン1で帝国軍の残党モフ・ギデオン(ジャンカルロ・エスポジート)に仕えていたクローン学者ペン・パーシング(オミッド・アブタヒ)も、シーズン2でギデオンの部下だった女性士官イライア・ケイン(ケイティ・M・オブライアン)もそこに送られている。この2人の出会い(というか、再会)が、不穏な逸話に発展していく。

2人とも改心し、新共和国に仕えているようだが、パーシングは新業務が研究職ではない事務職であることにいらだちを覚えている。イライアは、それを利用してなにやら企てているようだ。イライアの罠に落ちたパーシングは新共和国に不適合と判断され、洗脳という処置を受ける。『未来世紀ブラジル』(85)のようなゾッとする場面だが、それを見つめるイライアは不敵な笑みをもらしていた。いずれにしても、新共和国の体制には脆弱な点があり、帝国軍の残党には付け入るスキがある。それがシーズン3の、もう一つの柱だ。

■マンダロリアンの団結が胸アツ!そして不穏な陰謀が…?

第5話では、この2つの柱がそれぞれに発展し、急速に結びついていく。主要舞台がかつてのディン・ジャリンの拠点であり、帝国の残党も居座っていた新共和国の外縁惑星ネヴァロであることからも、それは察せられるだろう。第1話にも登場した海賊が襲来し、ネヴァロ・シティを占拠することから物語は始まる。シーズン2でディン・ジャリンを窮地から救った新共和国のX-ウイング・パイロット、カーソン・テヴァ(ポール・サン=ヒョンジュ・リー)は、これを知ってコルサントに赴き、ネヴァロの救援を主張するが、事務仕事に忙しい上官は乗り気ではない。新共和国内にはびこる悪しき官僚主義というべきか。ともかく、このお役所仕事的な側面は新共和国の脆弱さの表われでもある。

さらに不穏なのは、この上官に、部下のイライアが“ネヴァロは新共和国に加入していない”と訴えること。新共和国としては、加盟国の要請に応えるのが最優先だ。かくしてテヴァの救援要請は先送りにされるが、一刻を争う事態であると考えたテヴァはマンダロリアンにネヴァロの窮状を知らせる。我らがヒーロー、ディン・ジャリンが、これを見過ごすワケがない!

不穏なエピソードはここで一旦、棚上げにされ、マンダロリアンのポジティブな物語に転調。ディン・ジャリンは同胞たちにネヴァロを救出することの重要性を訴える。いまやネヴァロの上級監督官となっているディン・ジャリンの盟友グリーフ・カルガ(カール・ウェザース)は、ネヴァロの土地をディン・ジャリンにあたえることを約束していた。流浪の民マンダロリアンにとって、安住の地を築くのはマンダロア再興のためにも必須だ。ボ=カターンは、この意見に同調。そして、かつてはディン・ジャリンと反目していたパズ・ウィズラの感動的なスピーチが、マンダロリアンを団結させる。この流れはエモくてアツい!

ネヴァロでの戦闘はまず、それぞれの機に乗ったディン・ジャリンとボ=カターンの海賊の母船への攻撃から始まる。母船内には、第1話に登場した海賊の長ゴリアン・シャード(ノンソー・アノジー)がいる。彼がこれに気を取られているスキを突いてほかのマンダロリアンはネヴァロ・シティに降下し、海賊と交戦する。空中戦と地上戦のタペストリーは、いかにも「スター・ウォーズ」らしいアクションの展開だ。

激闘の末、海賊の母船を撃破し、地上も制圧したマンダロリアンはネヴァロの住民に英雄として迎え入れられる。カルガは約束どおり、ディン・ジャリンに広大な土地をあたえ、そこはマンダロリアンの新たな拠点になることが示唆された。これだけでもマンダロリアンの大勝利だが、アーマラー(エミリー・スワロー)はさらなるミッションをボ=カターンにあたえる。それは銀河に散らばっている同胞たちをまとめ上げること。ウォッチの掟ではヘルメットを脱ぐことは御法度だが、アーマラーはあえてボ=カターンにヘルメットを脱がせ、ウォッチ以外の掟の下で生きるマンダロリアンをまとめ上げようとしているのだ。種族のより大きな団結を求めて…新展開のこの場面も胸アツだ!

しかし、物語は再び不穏に転調する。銀河をパトロール中のテヴァは、新共和国の輸送船の残骸を発見。それは、新共和国に捕らえられたモフ・ギデオンを移送していた船だった。船内のクルーは全員死んでいるが、ギデオンの姿はどこにもない。彼はどこに消えたのか?この船を襲撃したのは何者か?損傷した船内に残されていたのはベスカー合金の破片――そう、マンダロリアンの文化の象徴というべき物質だ。

このように“ポジティブ”と“不穏”の2つの柱は結びついて第5話は終了。この後の展開は、様々なパターンが予想できる。マンダロリアンの中に、帝国の残党と組んでいる者がいる?ベスカー合金は帝国軍残党の偽装工作か?この一件だけで、ディン・ジャリンをはじめとするウォッチの面々は窮地に追い込まれるのか?いやはや、おもしろくなってきた!

ここまで読んでいただいた方はお気づきかもしれないが、シリーズのアイドル、グローグーの第5話における出番は顔見せ程度で、活躍と呼べるものはない。今回は、ある意味“大人の世界”の物語だけに、それもやむなし。しかしキャラの大きさから察するに、グローグーはこの後の展開に絡んでくるだろう。シーズン3で、グローグーはマンダロリアンたちの前でフォースを披露しており、それをこの後の展開に役立てないとしたら勿体ないではないか。

グローグーのかわいらしさを見られない代わりに…と言ってはなんだが、第5話は人間以外の種族、すなわち多彩なエイリアンの姿をたっぷり見ることができる。海藻のオバケのようなゴリアンをはじめ、海賊の面々は様々な異星人の混合編成。ネヴァロの住民たちも、過去のエピソードで描かれていたように人間ならざる者が多数存在している。シーズン1~3を通じて、これほど多種のエイリアンが登場するエピソードはない。

文/相馬学
 
   

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