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プーチン収監、トランプ逮捕? AI生成の偽画像がネットに氾濫

NewSphere


 制服を着たニューヨーク市の警官に取り押さえられるトランプ前大統領。薄暗いコンクリート壁の独房で憂鬱な表情を浮かべるプーチン大統領。

 トランプ氏が刑事告訴される可能性がある、国際刑事裁判所(ICC)がプーチン氏に逮捕状を出したなどというニュースが報じられているなかにあって、極めて精巧でセンセーショナルな画像がツイッターなどのプラットフォームにあふれている。

 だが、どれもまったくの偽画像である。SNSで拡散されているものも含むこうした画像は、人工知能(AI)を搭載した高性能かつ広く利用されている画像生成ツールを使って作られたものである。

 偽画像は新たな現実(ニューリアリティ)の前兆であると、誤情報の専門家は警鐘を鳴らしている。大きなニュースが報じられた後に偽の写真や動画がSNSにあふれ、社会にとって重要な時期に事実と虚構がますます混同されるというのだ。

 シアトルにあるワシントン大学で誤情報の拡散を研究しているジェビン・ウェスト教授は「確かに、危機的な事件が起きるとそこに雑音が加わり、不信も高まる。社会システムや目にする情報への信頼も失われる」と述べている。

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 写真を加工して偽画像を作る技術は以前からあるものの、「ミッドジャーニー」や「ダリ」などのAI画像生成ツールはとても使いやすい。簡単なテキストを入力すれば、精巧な背景をつけたうえで現実にありそうな画像を素早く、しかも大量に生成してくれる。

 最近の画像のなかには、ミッドジャーニーが今月リリースした、テキストから画像に合成する最新バージョンのモデルによって作られたものもある。これは、報道機関が制作する写真のスタイルを模倣した説得力のある画像を生み出す能力を備えたものだ。

 オランダを本拠とする調査報道集団、ベリングキャットの創設者であるエリオット・ヒギンズ氏は、よく知られているツイッターのスレッドで、最新バージョンのツールを使い、トランプ氏逮捕の偽画像を数多く作り出した。

 この画像は何万回もシェアされ、多くの「いいね」を集めた。そこでは、制服を着た数人の警官がトランプ氏を取り押さえ、歩道に激しく引きずり下ろす様子が写し出されている。

 プーチン氏の逮捕、裁判、収監をテーマとする一連の画像も制作したヒギンズ氏は「悪意があって画像を投稿したわけではない」と言う。ツイッターのスレッドには、AIが生成した画像であることが明記されている。

 それでも、ミッドジャーニーのサーバーから締め出されてしまうほど画像投稿の影響は大きかったという。この点についてメールで問い合わせたものの、サンフランシスコを本拠とする独立系研究所の同社から返信はなかった。

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