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フィギュアスケート選手が、最初はゆっくり回っていたのに回転がだんだん速くなるワケとは?【物理の話】

ラブすぽ

運動量保存則と角運動量保存則

フィギュアスケート選手の演技を見ていると、スケート靴で氷を蹴っていない間、ほぼ同じ速さを保って氷上を滑っていることがわかります。

ここでは、フィギュアで見られる物理現象について見ていきましょう。

物体には、外から何の影響も受けなければ最初の状態を保とうとする性質があります。スケート靴のブレードと氷との間の摩擦力は極端に小さいので、フィギュアの選手もこの性質にしたがいます。この場合、いろいろな物理量が一定に保たれます。

保存される量の一つに、質量mと速度vの積である運動量mvがあります。これは、運動量保存則として知られています。スケート靴で氷を蹴っていない間の選手の速度が一定なのは、運動量が保存するからなのです。

もう一つ、角運動量も保存されます。角運動量とは、質量m、回転半径kの2乗k2、回転の速さ(角速度)ωの積mk2ωのことです。

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フィギュアの演技には、ジャンプ回転やスピンなどの自転があります。最初ゆっくり回っていた選手の回転が、時間とともに速くなることがあります。この間の腕の位置を見ていると、最初は腕を大きく広げていて、回転が速いときには腕を胸元で組んで回転の中心に近いところへ持ってきていることがわかるはずです。

この現象は、回転に関係する角運動量が保存する(角運動量保存則)ために起こるのです。たとえば、❶のように回転の開始直後の腕を広げているときの回転半径をr、❷のように腕を組んでいるときの回転半径を❶の半分r/2とすれば、❷のときの角速度は❶のときよりも4倍速くなります。

【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 物理の話』
著者:長澤光晴  日本文芸社刊

執筆者プロフィール
1967年生まれ。東京理科大学理工学部物理学科卒業。北海道大学大学院理学研究科物理学専攻博士課程修了。東京電機大学工学部基礎教育センター・工学部環境化学科准教授、フランス国立極低温研究所(CRTBT)客員研究員(2001年)を経て、現在は東京電機大学工学部自然科学系列・工学研究科物質工学専攻教授。博士(理学)。日本物理学会所属。著書に『面白いほどよくわかる物理』(日本文芸社)がある。

 
   

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