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【ネタバレあり】容赦ない“神の娘”の暴れっぷりに、“中身がコドモ”ヒーローの成長譚!『シャザム!~神々の怒り~』を徹底レビュー

MOVIE WALKER PRESS

“見た目は大人、中身はコドモ”の意表を突いたヒーロー像で絶賛されたDCユニバースの『シャザム!』(19)。その続編となる『シャザム!~神々の怒り~』(公開中)は、あらゆる面で前作を上回る痛快熱血ヒーロー映画になっている。その魅力を解説していきたい。

※本記事は、ストーリーの核心に触れる記述を含みます。未見の方はご注意ください。

■怒り狂った“神の娘”3姉妹が人類に牙を剥く!

前作においてシャザム(ザッカリー・リーヴァイ)が戦いのなかで折ってしまった魔術師(ジャイモン・フンスー)の杖を展示している美術館に、ヘスペラ(ヘレン・ミレン)とカリプソ(ルーシー・リュー)が現れ、杖を奪い去っていった。杖が折れた影響で、神々の領域に異変が起きたことに怒った神アトラスが、人間に復讐するため3人の娘を人間界に送り込んだのだ。そんなこととは知らず、シャザムに変身するビリー・バットソン(アッシャー・エンジェル)は今日も“家族”と共に地元フィラデルフィアでヒーロー活動に打ち込んでいた。そんな時、ヘスペラたちの攻撃を受けた魔術師を通し、アトラスが人間を滅亡させようとしていると知ったビリーは、娘たちに戦いを挑む。

■大人になる前のティーンならではの悩みや成長も見どころ

シャザムの魅力は、見た目と中身がまったく違うそのギャップ。スーパーマンやワンダーウーマンなどピュアな心を持つヒーローはたくさんいるが、シャザムはピュアどころかいまどきのティーンまんまなところがおもしろい。前作でも、大人の姿をしながらやることなすことは14歳というシャザム=ビリーの姿で、映画館を爆笑の渦に巻き込んだ。

そんなビリーはヒーロー活動を通して人として成長するが、先に体が大きくなり、それに心が追いついていくのは思春期の変化そのもの。そんな誰もが共感できる設定も「シャザム!」が愛されている理由だろう。今作ではホームから巣立つ18歳を目前としたビリーが、漠然とした不安に揺れる姿が描かれる。血のつながった実の家族以上に絆を深めた“家族”への思いを胸に戦うビリーを体現した、ザッカリー・リーヴァイとアッシャー・エンジェルの熱演も必見だ。

■フレディのロマンスにもスポットが当たる!

巣立ちを前にビリーと“家族”の関係がより濃厚になった今作だが、親友フレディ(ジャック・ディラン・グレイザー)に大きくスポットが当てられているのもポイントだ。彼はキュートな転校生アン(実は“神の娘”3姉妹の末っ子、アンテア)と親密になり、ヒーロー活動より彼女と一緒にいることを優先する。アンを守るため、いじめっ子のブライヤー兄弟を相手に一歩引かず、杖をへし折られても笑顔でいるフレディのポジティブさにも思わず拍手!アンに夢中になることでビリーとフレディの間にわだかまりも生まれるが、このあたりの学園ドラマ風の展開もぜひ楽しみにしてほしい。

■“神の娘”3姉妹を演じる豪華俳優陣にワンダーウーマンのサプライズ登場

今作でシャザムの前に立ちはだかる敵も超大物。ヘスペラ、カリプソ、アンテア(レイチェル・ゼグラー)の3姉妹はシャザムの力の源である天界の一族なのだ。変身の呪文「SHAZAM=シャザム」の由来は、ビリーが魔術師から授かった力の持ち主である神々や英雄のイニシャル——S=ソロモンの知恵、H=ヘラクレスの剛力、A=アトラスのスタミナ、Z=ゼウスの万能、A=アキレスの勇気、M=マーキュリーの神速——で、3姉妹はその1人であるアトラスの娘。ちなみに彼女たちもギリシア神話に登場する女神である。

神様だけにめっぽう強いし、人間に恨みを抱いているため容赦のなさもハンパない。映画の冒頭、美術館のシーンでも逃げ惑う人々を石に変えたり、天界の怪物を街に解き放って廃墟にするなど怒りにまかせて暴走する。召喚する怪物たちは、サイクロプスにミノタウロス、ハーピー、ユニコーン、そしてラスボス的な巨大ドラゴンと、神話やファンタジーの定番ぞろいだ。

最強の3姉妹を演じているのは、数々の映画賞に輝く英国の大女優ヘレン・ミレン、「キル・ビル」や「チャーリーズ・エンジェル」でおなじみルーシー・リュー、そして『ウエスト・サイド・ストーリー』(20)のヒロインに抜擢されブレイクしたレイチェル・ゼグラーと世代を超えた実力派の俳優たち。70代、50代、20代の3人に姉妹を演じさせるという目の付けどころも「シャザム!」ならでは?

なお、ビリーが憧れる存在として劇中で何度もその名前が挙げられるワンダーウーマン(ガル・ガドット)もラストに登場する。カメオ的なポジションだが、コメディリリーフに思わせ実は…という彼女の起用法も実に「シャザム!」的で思わずサムズアップしてしまう。

最後に本作のエンドロールに触れておきたい。前作では子どもがノートに描いたようなヒーローの絵がアニメーションで動いていたが、天界絡みの今作では、やや重厚な銅版画の挿絵風アニメーションになっている。内容に合わせ細部まで趣向を凝らす遊び心も実に「シャザム!」らしい。エンドロールといえば、いまやユニバース系ヒーロー映画のお約束、ミッドクレジットが挿入されている。楽しいサプライズが待っているので、ぜひ映画館で味わってほしい。

文/神武団四郎
 
   

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