最近ではモーションキャプチャーの技術が向上してきましたので、高額な機械であればかなり詳細にスウィングの効率性が確認できるようになりました。またこの分野は、ゲームの開発や映像制作でも需要がありますので日々進化を遂げています。精度は異なるかもしれませんが、スマホのアプリでもこうした解析を行えるものもあります。
ちなみにTPI では、こうしたシークエンスを達成できない場合、「12のスウィング特徴」、つまりキャスティングやアーリーリリースなどの障害が発生している場合があるとし、されにそれらをトレーニングによって改善できるとしています。TPIの講座はコロナ禍の影響もあってオンラインで受講できますので便利なことこの上ありません。
ザ・ゴルフィングマシーンでは?
ではこの「キネマティックシークエンス」をザ・ゴルフィングマシーンではどのように表現しているかですが、これは第六章で「ダウンスウィングのシーケンス」として紹介されています。
以前の記事でも紹介しましたが、ザ・ゴルフィングマシーンではクラブにエネルギーを入力する際に圧力が発生する、四つの「プレッシャーポイント」が存在するとしています。
PP#1は体幹、右腕の「押し込み」を左手に伝える右手の生命線。
PP#2はクラブを「引っ張る」左手のグリップエンド。
PP#3はクラブヘッドが「ターン」する際の「右手の人差し指の第一関節」。
PP#4は下半身から発生する「ボディパワー」を伝達する左のワキ。
広告の後にも続きます
このようなプレッシャーポイント群がある中で、ダウンスウィング中にプレッシャーが最大化する順番は、「4→1→2→3」の順番になり、これらの順序が入れ替わってはいけないとしています。
つまり、「ボディーパワー」がまず左ワキのプレッシャーとなり、次に体幹や右腕(上腕三頭筋)のパワーが伝わり、ついでクラブのグリップエンドを左腕で引っ張り、最終的にクラブが加速してクラブヘッドが追い越していくという順序であるべきということです。
こうしてみるとTPIで言っていることとまったく同じ順序であることがわかりますので、私のようなザ・ゴルフィングマシーンのマニアからすると、TPIの内容はとってもしっくり来るわけです。
現代のようなモーションキャプチャー技術がなかった時代に、ザ・ゴルフィングマシーンがこうした理論付けを行っていたことは驚異としか言いようがありませんが、逆に言えば欧米のスウィング理論はこうした理論の積み重ねと検証を経て、今日に受け継がれていると言えます。
それらが現代のテクノロジーと融合して、例えばスマホでお手軽にスウィング解析ができる時代になった、あるいはなろうとしているということになります。
昨今はAIなどの発達も目覚ましく、私のやっている翻訳などもどんどん精度が向上していますし、こうした記事さえも今にAIで制作される時代が来ると言われています。ゴルフの上達さえも人間のインストラクターよりもAIやスマホアプリの指示に従った方が早くて正確だという時代が来るかも知れません。
そうなるとAI時代には私のお仕事は全部失業まっしぐらなのですが、本格的にそうした時代が訪れるまで、今しばらくはお付き合いをいただければ幸いです。