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『なのに、千輝くんが甘すぎる。』高橋恭平×畑芽育の“走り”は必見 心を表す重要な描写に

Real Sound

 上記を踏まえながら『なのに、千輝くんが甘すぎる。』の作中と照らし合わせて考えていきたい。作中では千輝が陸上部ということもあり、走る描写は何度も繰り返して描かれており、そこに重要な意味を持たせている。一方でヒロインである真綾は、序盤は走ることもままならず、転ぶシーンが多かった。

 これは作中で重要な片想いごっこと合わせて、登場人物の心理を映像で捉えていると解釈できる。真綾が片想いごっこを始めた当初は、恋心というのがよくわからないために走ることができない。自分本位の恋心しかない=走れない、という解釈が成立する。そこで走ることができる千輝が手助けをすることで、真綾の失恋の痛みが徐々に解消していくことになる。しかし後半においてトラブルにより千輝が走れなくなると、今度は真綾が走る展開となる。ここでは他者のためにという思いを、走るという行為に表し、それこそが他者への無垢な献身=恋愛であるというように描いている。

 恋愛に限らず人の心理というのは、目に見えるものではなく、カメラで捉えることはできない。しかし、だからこそ様々な行動に置き換えることで、その心理や感情を具体的な動きにすることで映像に捉えることが求められる。その映画表現の妙に、走るという青春映画の王道の動きで挑戦したのが今作だと言える。

 今回は走るという動作を中心に作品について考えていったが、もちろん本作はここまで堅苦しく考えなくても楽しめる。それに加えて、魅力的なキャスト陣のカッコよさの理由の1つに、走ることを中心とした映像演出の妙があると頭の片隅に入れていただければ、また違った発見と驚きもあるはずだ。(井中カエル)

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