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ペンタトニックス、観る者の度肝を抜いた圧倒的な“声の力” Little Glee Monsterとも共演した3年ぶりのジャパンツアー

Real Sound

ペンタトニックス(写真=Kazumichi Kokei)

 ペンタトニックスが3年ぶりのジャパンツアー『ペンタトニックス THE WORLD TOUR JAPAN 2023』を3月8日(大阪)、9日(東京)、11日(東京)、14日(名古屋)の3都市4公演で開催した。前回の来日は『ペンタトニックス THE WORLD TOUR JAPAN 2020』の2020年1月末から2月初頭にかけてと、まさにコロナ禍直前のタイミングだったことを考えると、今回の3年ぶりの日本公演は非常に大きな意味を持つのではないかと感じてしまう。そんな大盛況だった今回の日本公演の中から、本稿では彼らの盟友・Little Glee Monster(以下、リトグリ)がゲスト出演した3月9日の東京ガーデンシアター公演について記す。

(関連:ペンタトニックス、各国アーティストと描いた鮮やかなハーモニー 新たな繋がり生み出すHIKAKIN & SEIKINとのコラボも

 本ツアー中、唯一のゲストアクトとして30分のステージを展開したリトグリは、代表曲「世界はあなたに笑いかけている」から元気いっぱいのライブを展開。普段はバンドメンバーとともにステージに立つことが多い彼女たちだが、この日はメンバー6人のみでのパフォーマンスとあって、そのみずみずしい歌声としなやかなダンスに注目が集まる。会場に集まった大半の観客がペンタトニックスファンだったものの、彼女たちの登場と同時に客席から歓声が上がり、以降も緊張感の強いアカペラで始まる「Jupiter」、アリーナ会場にマッチしたパワフルさが際立つ「ECHO」、大人びたサウンドと艶やかなダンスが魅力的な「Waves」と曲を重ねていくうちに、ペンタトニックスファンを魅了していき、彼女たちの圧巻の歌声に大きな拍手が送られる。

 メンバーのかれんが「皆さんの反応が優しくてうれしいです。歓声を聞けるのも感慨深いです」と笑顔で語ると、3月22日発売の最新EP『Fanfare』収録の新曲「WONDER LOVER」をひと足先に披露。かれん考案の腰振りダンスを交えたキャッチーな振り付けと、K-POPにも通ずるノリのよいサウンドはペンタトニックスファンにも好意的に受け入れられたようだった。そして、最後は爽やかな「Join Us!」で盛大に締めくくり、ペンタトニックスへとバトンをつないだ。

 約20分のインターバルを経て、いよいよペンタトニックスの登場だ。SEに乗せてピンク基調の衣装を着たメンバーがステージに姿を現すと、リズミカルなビートに乗せて「Sing」からライブを開始。スコットを中心に、5人のメンバーはそれぞれ個性豊かな歌声を重ね合いながらパワフルなハーモニーを響かせていく。1曲目から早くもクライマックスのような盛り上がりを見せる客席を前に、彼らは続いてPerfumeの人気楽曲で構成されたメドレーを日本語で歌唱。ミッチや紅一点のカースティンを軸に、キュートさと温かみの伝わる歌声を会場中に届けると、オーディエンスは盛大なクラップで応える。ステージ上と客席との絆が強く感じられたこの光景を前に、筆者は3年ぶりの日本公演の成功をこの時点で確信した。

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 「コンバンワ、トーキョー!  ミンナダイスキ。アリガトウゴザイマス!」とスコットが日本語で挨拶すると、会場中に歓喜の声と拍手が響き渡る。そして、3年ぶりの来日を心の底から喜んでいることを伝えると、5人は「Can’t Sleep Love」からライブを再開。グルーヴィなリズムに乗せて、彼らはマイクスタンドを用いた歌唱を披露していく。続いて、マットのソロが導入部に用意された「Aha!」では、アップテンポな曲調ながらも息の合ったボーカルワークで観る者を魅了。5人の声が重なることで生まれる厚みと、随所にフィーチャーされたミッチのハイトーンなどから伝わる気持ちよさは絶品の一言で、人の声だけでこれだけのステージが構築できるのだという事実に改めて驚かされる。かと思えば、“動”のイメージの「Aha!」とは対照的なSimon & Garfunkelの名曲「The Sound Of Silence」で“静”のスタイルを提示し、5人の美しいハーモニーのみで壮大な世界観を演出していった。

 カースティンのMCに続いて披露されたのは、ツアーで披露するのは初めての「Love Me When I Don’t」。ここではオーディエンスの歌声が加わることで、ライブの一体感をよりダイレクトに味わうことができたのではないだろうか。そこから最新オリジナルアルバム『The Lucky Ones』(2021年)収録曲のメドレー、そして彼らのライブには欠かせないDaft Punkメドレーへと続き、ライブならではの高揚感を存分に堪能することができた。特に『The Lucky Ones』メドレーではケヴィンの活躍ぶりが際立ち、彼の巧みなヒューマンビートボックスをたっぷり楽しめた。

 客席からこれでもかと拍手喝采が送られ続ける中、ペンタトニックスの5人はこの日だけのサプライズを用意していた。ステージに再びリトグリの6人を呼び入れ、2組のコラボ曲「Midnight In Tokyo feat. Little Glee Monster」をステージ上で初めて披露したのだ。11人が織りなす声の厚みやカラフルさ、温かみは何にも変え難いものがあり、目の前で展開されるパフォーマンスは贅沢の極みそのもの。昨年11月にリトグリに加入したばかりのミカ、結海、miyouも大先輩との共演にまったく物おじすることなく、終始笑みを浮かべながらコラボレーションを満喫していた。一方のペンタトニックスも盟友たちと肩を並べて歌うことに対して、心の底から喜びが溢れ出した様子。時にリトグリの面々と向き合ってハーモニーを奏で、時に肩を組みながら笑顔で歌うなど、このかけがえのない瞬間を存分に楽しんだ。

 その後、スコットが中心となって、客席を3ブロックに分けてそれぞれ異なるハーモニーを重ねる様子を撮影。同映像はペンタトニックスのTikTokアカウントで公開されているので、その一体感をぜひ追体験してほしい(※1)。

 リトグリの面々がステージを去ったあとは、ケヴィンの独壇場といえるブロックに突入。自身のオリジナル曲「Julie-O」や、バッハのクラシック楽曲にヒップホップを掛け合わせたアレンジなどを通して、その巧みな腕前が存分に披露されると、会場中に興奮気味の大歓声が湧き起こる。その一方で、「Shallow」ではシックな衣装に着替えたほかのメンバーの歌声に合わせ、美しいチェロの音色を重ねる一幕も。「Side」と「White Winter Hymnal」のメドレーでは、メンバーがスツールに座ってリラックスモードでハーモニーを奏で、観る者を魅了し続けた。

 その後、ステージにケヴィンとマットが残ると、2人のみでThe Temptations「My Girl」やBackstreet Boys「I Want It That Way」、Journey「Don’t Stop Believin’」、Bon Jovi「Livin’ On A Prayer」など往年のポップス/ロックのヒットナンバーをアカペラで披露。誰もが一度は耳にしたことがある洋楽ヒットを前に、オーディエンスもシンガロングするなどしてライブに加わっていく。そして、Queen「We Will Rock You」でクライマックスを迎えると、そのまま90年代ダンスヒットチューンメドレーでさらなる盛り上がりを見せ、この日何度目かのクライマックスを迎える。そして、観客もコーラスに加わるドラマチックな「Hallelujah」にてライブ本編を締めくくった。

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