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【大学野球】野球部OBが慶大史上初の部長職に就任 加藤貴昭教授は学生のために汗を流す

週刊ベースボールONLINE

「エンジョイ・ベースボール」に心酔



慶大の新部長に就任した加藤貴昭教授。同大学野球部のOBである

 大学野球部の「部長」とは説明するまでもなく、大組織を束ねるリーダーである。現場で学生を指導する監督、学生が円滑に活動を展開する上で、サポート的な役割。さらに大学当局と野球部とをつなぐ、重要ポストだ。

 3月1日、慶應義塾体育会野球部の新部長に環境情報学部の加藤貴昭教授が就任した。三田ベースボール倶楽部を起源とする1888年創部の野球部において、同野球部OBが部長職を担うのは史上初である。

「現役の指導者、学生たちがより良い方向へ行けるようサポートしていきたいと思います」

 加藤教授は1974年生まれ、長野県出身。野沢北高では四番・捕手(主将)で3年夏の県大会4強と、旋風を巻き起こした。左のスラッガーで、高校通算25本塁打を放っている。

 テレビ中継していた早慶戦にあこがれた。当時、神宮のベンチで指揮していた前田祐吉監督(故人、2020年野球殿堂入り)の「エンジョイ・ベースボール」に心酔し、慶大を志望。AO入試で環境情報学部に入学した。


慶大在学中は、強打の捕手として活躍。4年時は主将を務めた

 慶大では2年秋からベンチ入りし、3年秋から三番・左翼のレギュラー。4年時は主将で正捕手を務めた。東京六大学リーグ通算45試合、打率.280、2本塁打、27打点と、強打のキャッチャーとして活躍した。1学年上の主将は高木大成(元西武)、1学年下の主将は高橋由伸(元巨人)。2年時からは後藤寿彦監督(三田倶楽部[慶應義塾体育会野球部OB会]会長)の下で3年間、勝負の厳しさを学んだ。

 大学卒業後の98、99年はウィリアムズポート・カブスでプレー。大学院でプログラミングを研究するにあたり、渡米の目的は、セカンドキャリアを見据えた現役続行だった。

 00年に慶大大学院政策・メディア研究科修士課程、03年に同博士課程修了。同年に慶大総合政策学部の専任講師となり、12年に慶大環境情報学部准教授、21年に同教授となった。研究分野はエンタテインメント、ゲーム情報学(eスポーツ)、実験心理学(眼球運動)、スポーツ科学(スポーツ心理学)である。この間、慶應義塾体育会副理事、三田倶楽部の理事を歴任している。

「大学の教員として研究、教育活動が中心でしたが、客観的な立場から、何らかの形で野球部に貢献したいと思ってきました」

 これまでも授業、ゼミ等で野球部員との関わりはあったが、20年12月に慶大SFC研究所内に「ベースボール・ラボ」を開設。学生とより身近な存在となり、野球部の協力を得て、民間企業らと連携しながら、実戦的なパフォーマンスにつながる研究を重ねた。大学スポーツの新たなモデルを発信してきた。

 大学4年生だった1996年以来、神宮球場に戻ってくる。大学野球の現場を熟知する部長として、学生のために汗を流していく。

文=岡本朋祐 写真=BBM
 
   

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