
「あの時助けてもらったタコです」と、のちに少女のもとに手土産をもって姿を現すかもしれない。
浜辺に打ち上げられ海に戻れなくなってしまったタコを最初に発見したのは、カナダから、アメリカ・ワシントン州の国立公園の海にやってきた10歳の少女とその家族だ。
家族はすぐにパークレンジャーに連絡を入れたが、このままでは体が乾いて死んでしまうかもしれない。この種のタコは水の外では生きることができないのだ。
そこで少女は機転をきかせ、持っていた小さなバケツでタコに水をかけ続けた。家族も協力し、レンジャー部隊が到着するまでずっとだ。
その結果、タコは生き延びることができ、レンジャー部隊は無事に海に返すことができたそうだ。
浜辺に打ち上げられ動けなくなっていたタコを発見した家族
アメリカ、ワシントン州スカジット郡のベイビュー州立公園に訪れていたカナダの家族は、浜辺で息も絶え絶えの巨大なミズダコを発見した。太平洋に広く生息する、世界最大の大きさを誇る「ミズダコ」で、この地域の岩礁の近くでよく見られるが干潟(ひがた)にいることはめったにない。潮が急速に後退したことで取り残されてしまったのだろう。
家族はすぐに公園のレンジャー部隊に連絡を入れた。

ミズダコは、数分以上水から上がっていると、エラがつぶれてしまうという。このままでは死んでしまうかもしれない。
そこで10歳の少女は持っていた小さなバケツで、タコに水をかけつづけた。家族も一緒にタコの体が乾いてしまわぬよう、レンジャー部隊が到着するまでずっと水をかけ、濡らし続けた。

少女の機転でタコは生き延び、無事に海に返すことに成功
3人のレンジャー部隊が到着した時も、少女はバケツを使ってタコを濡らしていた。それが功を奏した。タコの健康状態は思っている以上に良かったのだ。スタッフは、少女と家族の努力がなければタコは生き残れなかったという。
スタッフはタコを水の入った大きな容器に移し替えた。

その容器を海まで持ち運び、タコを水の中に返した。

タコは海に戻ると、元気いっぱいに泳いで去っていったという。

タコの大きさはおよそ2m、重さは40kgほどあったそうだ。
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もし浜辺で立ち往生しているミズダコに出会ったら?
パディラ湾保護区のアニー・イングランド氏によると、少女がしたことは、もし浜辺でミズダコと遭遇した時に、助けてあげることができる最善の方法であるという。大きなタコを無理やり動かそうとしたり、触ったりするのは得策ではないという。タコには鋭いクチバシと吸盤があるため、怪我をしたり、離れなくなってしまう。
彼らに必要なのは水なのだ。水を注ぎ続けることで体の機能をかろうじて維持することができる。
少女たちのおかげで、無事海に戻ることができたタコ。もしかしたら再び何らかの形で少女の前に姿を現すかもしれない。
References:Giant Pacific octopus rescued at Bay View State Park | king5.com / Giant Pacific octopus rescued at Bay View State Park | Pets | goskagit.com / written by parumo