過去の恋に執着している自分、臆病な自分、人付き合いが苦手な自分…。
でも、年齢を重ねた分、思い出もたくさんあって手放しづらくなるのが現実だ。
学生のときみたいに、卒業式で強制的に人生をリセットできたらいいのに…。
そんな悩めるオトナたちが、新しい自分になるために奮闘する“卒業ストーリー”。
この春、あなたは何から卒業する?
「オトナの卒業」一挙に全話おさらい!
第1話:出会ったその日に“男女の仲”になったけど、ずっと曖昧な関係のまま。しびれを切らした女は…
― また…って、次はいつ会うつもりなんだろう。
私は彼より1時間も早く起きて身支度をし、化粧も済ませていた。それは、好きな人の目に少しでも可愛く映りたいから。
朝食に用意したのは、サラダと目玉焼きにウインナー。ごはんは炊きたてだし、デザートのいちごも食べやすいようにヘタを切った。
万が一「パンが食べたい」と言われた時のために、昨夜のうちにコンビニで食パンも買ってある。簡単な朝食だけど、用意していたのに食べてもらえないのは、こたえる。
― 昨日の夜は、あんなに優しく私に触れてくれたのに…。
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第2話:アプリで知り合った東大卒の男と初デート。プロフィール画像について“あること”を彼から指摘され…
『この青山のカフェおしゃれ!行ってみたい!』
そんな投稿をしてみたものの、仲のいい友達は皆彼氏がいて、週末は気軽に誘えない。
― そろそろ、彼氏欲しいよな。でも、社会人の出会いって合コンかマッチングアプリくらいだよね…。
合コンは、仲のいい友達が皆彼氏持ちなので、最近めっきり減った。
― やっぱり気軽なのはアプリだよね。やってみようかな。
里佳は、早速とマッチングアプリをインストールしてみた。
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第3話:「一口ちょうだい」初対面にもかかわらず、ソファ席で男に甘える女。周囲はドン引きでも…
「愛理、聞いてくれる?雄一ってば最近冷たいの。クリスマスも全然楽しくなくてね、思えば冷たくなったのはあの時からかなぁ」
真っ白な肌に、大きな目。それを潤ませて、茜は唇を尖らせる。“雄一”というのは、以前、茜と一緒に行ったお食事会で知り合った経営者だ。不動産に注力しているという。
― 私も不動産会社で働いてるから話が盛り上がったけど…結局、茜に持っていかれちゃったんだよね。
はじめは別の男性とイイ感じになっていたはずの茜が、私が雄一と話しているのを見るやササッと近寄ってきて…あれよあれよという間に、2人は密着して話を始めてしまったのだ。
いつもの、ことだった。
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第4話:有楽町で映画デートの直後、険悪な雰囲気に…。男が上映中に犯した失態とは
有楽町で映画を観た帰り、『TexturA(テクストゥーラ)』に移動して食事をしているところで、優希の不満が爆発した。
「仕方ないだろう。映画が3時間以上もあるなんて知らなかったんだから」
「子どもじゃないんだからさぁ…」
壮亮の言い訳に、優希は呆れて溜息をつく。
最近、2人は一緒にいると常にケンカをしていた。今日はせっかくの土曜日ということで、仲直りを兼ねて映画デートを敢行。
映画ならば会話をすることもなく、ケンカになる場面もないだろうと思っていたところでの、壮亮の失態だった。
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