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ロシアを中国の属国化…「秘密会談」の裏にあった習近平の凄まじい思惑とは

アサ芸Biz

 ロシアを訪問し、プーチン大統領と首脳会談を行った中国習近平国家主席。両首脳はモスクワのクレムリンで共同声明に署名。その後、行われた記者発表でプーチン氏は、中国が示した「12項目の和平案」に対し、「西側諸国とウクライナが取り組む用意を示した時、平和的解決の基礎になり得るが、その用意はまだ見えない」と、あくまで侵略継続を正当化した。一方、習氏は「中国は客観的で公正な立場を堅持し、和平交渉を積極的に促す」と述べるにとどまり、両国の仲介に尽力する中国側のパフォーマンスをお披露目しただけの会談ともとれる結果に終わった。

 中露情勢に詳しいジャーナリストが、その理由を解説する。

「そもそも今回の習氏の訪露は、中立的仲裁者を演じることで、米欧と距離を置く新興国や途上国への影響力を増す狙いがあるからです。つまり、中国としては最初から停戦の調停、あるいは平和への道筋を考える、などと言うつもりは毛頭ない。というか、そもそも中国が仲裁を行うことと自体が現実的ではないんです。というのも、ロシアのウクライナ侵攻後、中露貿易額は 前年比3割増しに拡大。ロシア内で販売される車は3分の1が中国車で、ネット通販最大手『オゾン』が扱う商品も90%が中国製になりました。そうやって中国製品が大量輸入される一方で、ロシアのエネルギーは中国に安く買い叩かれ、ロシアの中国依存はとどまるところを知らない。つまり、経済という側面だけを考えれば、ロシアとウクライナとの和平を、中国が望む理由が見つからないのです」

 ただ、それは経済という側面だけの話で、同氏が言うには「ロシアの国力全体を考えると若干話は変わってくる」という。

ロシアがいくらエネルギー資源を持っているといっても、度重なる経済制裁で国力は確実に弱体化しています。それが圧倒的な中露格差を生み出しているわけですが、逆に対米国を考えた場合、中国にとってロシアが弱くなりすぎることは実は大変よろしくない。中国としては、やはりロシアは米国にとっての脅威でいてもらわねばならず、なぜならそれがなくなると、米国の目がすべてインド太平洋に向いてくるからです。中国としては正直、それが一番厄介。なので、ロシアを中国に依存させながら、出来るだけ弱体化させない。そのためには、中立的仲裁者の役割を演じなければならないということなのです」(同)

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 今回の共同声明には、両国関係を「東西冷戦時代のような軍事、政治同盟ではない」との記述があり、昨年2月の北京会談での「無制限の友好」からはトーンダウンしているが、

プーチンとしては、声明に『中国は強力で繁栄したロシアが必要だ』との文言が盛り込まれ、2030年までの経済協力を得る“手形”が切られたことで一定の成果が得られたとしているようですが、これでさらにロシアの中国への属国化が一歩進んだことは間違いないでしょうね」(同)

 まさに、軒下を貸して母屋を取られる……。いやはや、恐ろしいばかりだ。

(灯倫太郎)

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