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宮野真守「見終わった後、前向きな力をくれる映画」『シャザム!~神々の怒り~』【インタビュー】

エンタメOVO

 『THE BATMAN1-ザ・バットマン-』(22)、『ジョーカー』(19)など数々の人気作を世に送り出してきたDCの最新作『シャザム!~神々の怒り~』が公開中だ。主人公のシャザム(ザッカリー・リーバイ)は、古代の魔術師から神のパワーを授かった最強のヒーローだが、真の姿は18歳の少年ビリー・バットソン(アッシャー・エンジェル)。魔法の言葉「シャザム!」を唱えると、最強のパワーを持った超絶マッチョなヒーローに変身する。しかし、見た目は大人でも中身は子ども。大人の事情を知らずに神を怒らせてしまい、復讐(ふくしゅう)に燃える神の娘たちが巨大ドラゴンを引き連れて地球に襲来。未曽有の危機にシャザムは世界のためではなく、自分を受け入れてくれた仲間たちのために立ち上がるが…。見た目は大人なのに中身は子どものヒーロー、シャザムの活躍を描いたアクションエンターテインメントのシリーズ第2弾。シャザムの日本版声優を担当した声優の宮野真守に、収録時のエピソードや吹き替え作品に臨む際の姿勢などを聞いた。

-本作からシャザムの吹き替えを担当していますが、役が決まったときの感想や心境を聞かせてください。

 前作の『シャザム!』を楽しく見させていただいていたので、今回演じることになってとても驚いたのですが、僕自身しっかり表現できるように臨みたいと思いました。

-シャザムの印象は?

 見た目は大人だけど、中身は子どもという部分が、他のヒーローとは一線を画した存在になっているのかなと思います。作品の中でも、子どもだからやり取りがコミカルになったりする部分はありますが、そこだけではなくビリーの思春期の悩みや家族の問題や大事にするものがたくさんあるからこそ見えるヒーロー像があったり、ビビったり、おじけづいたり、面白半分で戦ったり、いろいろな描写が出てくるのですが、そういう本人の未熟さも含めて魅力になっているのではないかなと思っています。

-本編はいかがでしたか。

 物語の根本にある人とのつながりや仲間との絆を確かめ合うというテーマがとてもすてきだなと思っています。本編の中で「神々との戦い」が大きく出てきます。神との戦いとなると壮大で激しいバトルになると思うんですけど、シャザムの場合それだけではなく、やり取りが子どもらしかったりして、だまし討ちをしてみたりとか(笑)。一筋縄ではいかないシャザムが、神と戦うとこうなるんだってコメディー要素が盛り込まれてくるんです。しかしながら最終対決は壮大なスケールで、映像の迫力もふんだんに感じられるのでその勢いは圧巻でした。

-収録時のエピソードを聞かせてください。

 音響監督さんから「シャザムのキャラクターは非常に宮野くんに合っているね」って言ってもらえたのですごくうれしかったです。(収録中は)結構自由にやらせていただきました。

-収録時に意識していたことはありますか。

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 吹き替えに臨むときは、日本語にすることによって伝わり方や表現の仕方が変わってくるので、ご覧になる皆さんに違和感がないように面白いものを届けたいと意識しています。僕も、俳優とか舞台もやる人間なので、体で表現したものの尊さを知っています。なのでザッカリーさんが表現したこと、彼が感じたものをしっかり自分に落とし込んで日本語にすることができたらいいなと思いました。難しい作業ですけど、とてもやりがいがあるなと思っています。

-収録時に気を付けた部分を教えてください。

 ザッカリーさんのお芝居が本当に面白くて。早口でまくし立てたりとめどなくしゃべるシーンが多く、その中でも(せりふの)強弱が激しかったり、急に驚いたりとか。しかし、そこをただまねするだけではなく、どういう意味でやっているのかというのを家でしっかりと予習して臨みました。

-緒方恵美さんが吹き替えを担当したビリーとシャザムは、姿は違いますが同一人物です。演じるに当たって大事にした部分などはありますか。

 シャザムの難しさってそういうところだなと思っていて。ビリーの気持ちでいなくちゃいけないので、シャザムの姿じゃないときの彼の動きや心の機微もしっかり見て、大元はこの子なんだということを意識しました。でも、シャザムに変身したときの方が、(動きや話し方が)コメディーだったりするので、それはザッカリーさんが、スーパーパワーを手に入れたら楽しくなっちゃう子ども心を表現されているのかなと思ってみたり(笑)。ビリーの気持ちというのは非常に大事にしました。

-今回、宮野さんがシャザムを担当するというのも驚きではありましたが、三姉妹のキャストもかなり豪華ですね。

 台本を開いたときに「この姉妹と対決するのか!?」と、驚きを隠せず1回台本を置きました(笑)。(収録後に)出来上がった映像を見せてもらったときに、やっぱりとんでもない迫力で。そのときは「格好いい!」と思いながら一般のお客さんの気分で見させていただきました(笑)。

-最後に、ファンの人たちへ一言お願いします。

 とにかくスケールが大きくて、その中で巻き起こるドタバタが本当に面白くてずっとニコニコしていられる映画です。しかし、その中に思春期の誰もが通る「大人になるってどういうことなんだろう?」っていう問題があったり。ビリーは複雑な家庭環境だからこそ、つながりを求める気持ちが強くて仲間たちとすれ違いが起こってしまったりします…。全く同じではなくても、いろいろなコミュニティーに属したとき、悩んだり考える機会ってあると思うんですよね。そういう気持ちに温かな光をくれるような作品だと思っています。見終わったときに、前向きな力をくれる映画だと思うので、たくさんの方に見ていただけたらうれしいです。

(取材・文・写真/丸山有咲)

 
   

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