■「お姉さんのような気持ちで演じています」
「あかりは自由気ままな人なので、素に近い形で演じました。コミカルなシーンも多く、白目になったりして楽しかったです。あかりは言葉がワイルドで、私が普段使わない言葉が多く大丈夫かなと心配していたんですが、口に出したらすぐ慣れて(笑)。現場ではちょっとワイルドになっていました」
あかりは、施設に預けられていためい・楓子(吉田萌果)と父親を亡くして当てのなかったおい・
朔太郎(浅川大治)を引き取り、一つ屋根の下で暮らすことに。「あかりは母親代わりのような立
場ではあるんですがまだ若いし、“お母さん”という感じはしないので、あまり気負わず、お姉さん
のような気持ちで演じています」
家族3人でのシーンが多く、現場では常に一緒にいたとのこと。
「カメラが回っていないときも、ずっとあかりと朔太郎、楓子の関係性のままいられて、楽しかったです。時間があると学校の話とか聞いたりしていたのですが、実はとてもセリフが多いので、3人で次の日の読み合わせをしていることも多かったです。一応主役なんですが、引っ張っていくというより、のほほんと役のまま現場にいさせてもらえた感じ。雰囲気も温かく、本当にありがたかったです」
■「フードさんに毎回、どうやって作るのか聞いていました」
作中ではギョーザ、カレーうどんといった家庭料理が数多く登場。
「どれもおいしかったですが、中でも第3話に登場する”2日目のカレーうどん”はおいし過ぎて、カットがかかってからもずっと食べていました。本当に何を食べてもおいしいんですよ。ご飯を作ってくださるフードさんに毎回、どうやって作るのか聞いていました。この現場でかなりレパートリーが増えた気がします。それと同時に、この撮影でちょっと太っちゃって(笑)。幸せな現場でした」
料理をすることも多いという平。
「家では和食を作ることが多いです。これまでも料理を作ることは好きだったのですが、コロナ禍でおうち時間が増えたことで、より食にきちんと向き合うようになった気がして…。最近は、野菜を育てたり、みそや梅干しを作ったりもします。第1話でぬか漬けが出てくるんですが、私も家で漬けていて。撮影でぬか床をかき回した日も、家に帰って自分のぬか床をかき回していました」
改めて家族について考えることも多かったという。
「私の家はみんな仲良く、コミュニケーションもたくさん取っているタイプなので、あかりたちみたいに悩まされたことはないです。なので初めはあかりの気持ちを表現できるか心配ではありました。ただ、今回演じて改めて感じたのは、家族にはそれぞれの形があること。そしてその中で、みんなが幸せな気持ちになれることが一番なんだと思います。あかりのセリフで『家族は何があっても手を離しちゃダメなんだよ』とあるのですが、本当にその通りで。一見、でこぼこな家族だけど愛があれば何も関係ない。やっぱり家族っていいなと幸せな気持ちになりました。今回は、原作にはないあかり自身についても描かれていて、家族への思いが詰まっています。笑えるのにホロッと心が潤う、そしておいしいがあふれている作品なので、ぜひ楽しんでください」
取材・文=玉置晴子