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本当に必要?多様性の推進で日本の社会はどう変わるのか

パラサポWEB

パンデミック、急激な円安、ウクライナ侵攻など、想像もできなかった出来事が、ここ数年で立て続けに起きている。そんな変化の激しい時代を生き抜くために「組織には多様性が必要だ」と唱えるのは、『SDGs、ESG経営に必須! 多様性って何ですか? D&I、ジェンダー平等入門』の著者であり、「日経xwoman」を創刊し総編集長を務めた羽生祥子氏。私たち日本人が知っておきたい多様性、D&Iの今とこれからについて、お話を伺った。

ダイバーシティ(多様性)、D&Iとは? についての目次

1.そもそも、ダイバーシティ(多様性)、D&Iとは?
2.ダイバーシティ(多様性)の推進。するメリットとしないデメリット
3.日本の企業におけるダイバーシティ普及率
4.日本で多様性の大切さを浸透させるためにすべきこと
5.実はAIデータも偏ってる? 科学技術の発展にもD&Iは不可欠

そもそも、ダイバーシティ(多様性)、D&Iとは?

最近、企業や自治体、学校などさまざまな場所で目にする「D&I」という言葉。世界的な企業、あるいは国や自治体までもが、なぜD&Iを推進しようとするのか? その話に入る前に、まずは「D&I」とは何かについて、改めて押さえておこう。

「D&I」の「D」は「多様性、さまざまな種類、相違点」などという意味のDiversity(ダイバーシティ)、「I」は「包括、受け入れる」という意味のInclusion(インクルージョン)の頭文字。ざっくりと表現すると、「多様性を大切にし、受け入れる」ということ。近年は「E」、すなわち「公平」というEquity(エクイティ)を入れて「DEI(DE&I)」という呼ばれ方をされることもある。

羽生氏によると多様性には大きく分けて2つの種類があるそうだ。

©羽生プロ 羽生祥子の講演資料より抜粋

上記の図のように、ひとつは性別や民族、国籍などの「属性の多様性」。もうひとつは文系か理系か、営業職か事務職か、障がいがあるかないかなどといった「特性の多様性」。

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「属性の多様性は主に生まれながらに与えられ、自分の努力や意向では変えられないものです。属性の種類が増えると組織の中に特性の種類も増えるというのが、多様性を推進する大きなメリットと言えます」(羽生氏、以下同)

つまり、男性だけ、20代だけ、特定の民族だけといった偏った属性による組織よりも、男女、年齢、国籍など属性の種類が多い組織の方が、さまざまな特性を持った人が集まるので組織の成長や改革に繋がるということだ。

ただし、ここで誤解しやすいのが「インクルージョン」の意味。

「インクルージョンには『包含』するという意味がありますが『同化』だと誤解しているケースも多いようです。D&Iにおいて『あなたと私は分かり合えた』というのは、意見も好みもぴったり一致しましたということではなくて、『私たちは違うということを理解しました』という意味です。どっちが優れているかとか、正しいかとかではなく、お互いに違っていることを理解し、それをお互いに尊重すること。それがインクルージョンです」

ダイバーシティ(多様性)の推進。するメリットとしないデメリット――なぜD&Iの推進が必要なのか?

オンラインで取材を受けてくれた、著作家・メディアプロデューサー羽生祥子さん

D&Iの推進の目的を「差別はいけないことだから」などと、道徳的な意味で推進しなければならないと考えている人も少なくないようだ。一方で羽生氏によると、組織、特に企業にとってD&Iが推進されることには、はっきりと大きなメリットがあるのだそうだ。

――ダイバーシティを推進するメリット――利益に直結

「メリットは複数ありますが、一番分かりやすいのは純利益が上がるということです。ある調査(智剣・Oskarグループ主席ストラテジストの大川智宏氏のレポート)で、D&I推進のランキングが上位の企業と下位の企業の2016年から2021年の純利益を比較したところ、上位の企業では増益率の平均がプラス28%。それに比べて下位の企業はマイナス43%の減益となっていました」

©羽生プロ 羽生祥子の講演資料より抜粋
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