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“家族いるこっちを優先して” 職場での独身や子なしへにしわ寄せの声「当事者の対立は不毛…サポートした人に評価と報酬を」

ABEMA TIMES

 白河桃子・相模女子大学大学院特任教授は、こうしたしわ寄せは「本当によく起きている」と話す。

 「時短勤務をしている同僚がいる男女150人ずつに調査をした時、2割の方が『不公平さを感じている』、3割の方が『実際に業務負担が増えた』と回答した。よく“お互いさまだよね”“配慮をお願いします”という形でうやむやにされるが、当事者同士が対立するほど不毛なことはなく、会社がきちんと対処すべきだ。

 どうしたら職場での対立がなくなるのかも調査した。属人的なものは結構あり、例えば上司がうまく仕事の配分をしてくれるとか、育児をしている人が情報提供をしてくれるとか、感謝してくれるとか。ただ、それらには限界があるので、サポートした人に評価と報酬をきちんとあげることが重要。5人チームの売り場に1人時短勤務の人がいた時、周りの4人に月5000円を支給したり、育休者が出た時の代わりの人員を会社が配置しなかった場合、業務が増えた分は短期業績評価のようにボーナスを支給するといったことも始まっている」

 ようこさんは転職して個人で動くことが多くなり、逆に「子どもができたらどう働くべきか」を模索中だという。

 「1人で完結できているので、引き継ぐ時にどうコミュニケーションをとったらいいかなとか。自分も複雑な気持ちになったことが多いので、なるべく皆に迷惑をかけないようにして産休に入るなりしたいなと思っている」

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 白河氏は男性の育休取得も活用すべきだと呼びかける。

 「産後パパ育休という男性のための制度が10月1日からできたので、ぜひ使ってほしい。北欧の人に聞くと、男性は子育てを自分の権利だと思っている。ある時、フィンランド大使館の人に『すてきな女性が来て、“あなたのために家事や育児をやるからあなたは仕事を頑張って。サポートするわ”と言われたらどうですか?』と聞いたら、『変な人じゃないか。僕の育児をする権利を奪うつもりですか?』と言われた。そういうふうになればいいなと思っている」

■子どもを持たない共働き夫婦「DINKs」の後悔

 政府が説明する「異次元の少子化対策」の3本柱の1つ「働き方改革」。育児時間の短さにつながる長時間労働の是正という項目があるが、「またしわ寄せが私たちにくるの?」と懸念する声もある。

 白河氏は「生産性を高くして労働時間を短くする、または11時間のインターバルを空けましょうという働き方の規制を入れるのは、実は独身の人のためにもなる。残業が月80時間ぐらいになる男性は、給料はもらっているかもしれないが、結婚する確率が低い。そして、妻が出産を経験する確率も低い。時間がなかったら婚活する暇もないし、恋愛する暇もない」と投げかける。

 さらに、60代男性の匿名ブログも話題になったが、書かれていたのはDINKs後悔。「DINKs(ディンクス)」は子どもを持たない共働き夫婦のことだが、男性によると「趣味としていたものは40代くらいで飽きてしまう」「子どもがいないことで人生における起伏が減る」「必然的に介護が厳しくなる」など、歳を重ねるたびに様々なデメリットが浮上してくるという。

 白河氏は「とっくに多様な生き方になっていると思うが、まだプレッシャーを感じる方々がたくさんいる。一緒に婚活ブームを作った山田昌弘先生(中央大学教授)は講義で必ず、100人の学生がいたら『あなたたちのうちの25人は一生独身で、25人は子どもを持たない』と言うそうだ。つまり、少数派ではないと。また、先ほどからのしわ寄せの話も、(間接的に)子育てに参加しているということだ。ちゃんと加わっているんだよと堂々としてほしい」と訴えた。(『ABEMA Prime』より)

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