
その小さな体からは想像もつかない大音量の鳴き声を発する、「スズドリ」は、南米の熱帯雨林に住む鳥だ。
スズドリのオスは、メスを引き付けるために125デシベルもの音声で森に響き渡るほどの声をあげる。世界で最も大きな声で鳴く鳥と言われており、例えるならロック会場のスピーカーの隣や、間近でチェーンソーを聞くレベルだ。
耳を突き刺すようなほどの、特徴的で金属的な鳴き声を聞いてみよう。
耳を突き刺すレベルのスズドリのオスの鳴き声
まず最初は、アマゾンの熱帯雨林を旅していたエコツアーガイドのジェシカ・ドス・アンジョスさんが撮影、録音したスズドリの鳴き声を聞いてみよう。アンジョスさんは最初この耳をつんざくような音に気が付き、あたりを探したところ、スズドリが鳴いているのを発見したそうだ。
動画ですらこれだけの威力。音声注意で聞いてみよう。
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世界で最も大きな声で鳴くスズドリ
南米の熱帯雨林に生息する、カザリドリ科のスズドリは、オスとメスで体が異なる。オスは白い羽毛と、くちばしの下にぶらさがっている肉厚の黒い肉垂が特徴的だ。まるでイモムシかなんかを食べているように見えるがそうではない。体長は28cmほどで、ハトほどの大きさだ。
一方メスは、全体的に緑色(オリーブ色)の羽毛を持ち、頭部は黄色やオレンジ色の斑点がある。体長は25cmとオスよりやや小さくずんぐりとした体形をしている。
スズドリのオスは、メスを引き付けるために大きな声で鳴く。オスはメスの近くにいるときに、特に大きな声で鳴くことが観察されている。
その声は125デシベルもあり、ロックコンサートのスピーカーや、チェーンソーの音を超えるほど。飛行機のプロペラエンジンの直前にいるくらいの大きさだ。
だが悲しいことに、メスはその大きな声につられて近くにやってきても、タイプじゃない相手だと、すぐに飛び去ってしまうことが多いそうだ。
スズドリの鳴き声は、人間の耳にはうるさすぎるかもしれないが、森林の中では遠くまで聞こえることが大事だ。
スズドリのオスは木々の間を飛び回りながら鳴くので、メスはその方向を探す必要があるという。また、大きな声で鳴くことで、他のオスから自分のテリトリーを守ることもできるという。
written by parumo