坂本は「アドレナリンが出過ぎて、結局一睡もできずに朝を迎えました」と昨日は寝付けなかったと明かし、「脳が働いているか、今日不安です」と答えたが表情は明るかった。
結果として2連覇は達成した。しかし、演技後半のジャンプミスにはやはり悔しい気持ちがあるようで、「悔しい思いと嬉しい思いの両方があった。今後の自分の糧にしていきたい」と振り返った。
4年前の世界選手権。坂本は同じさいたまスーパーアリーナで開催された同大会で後半の3回転フリップ+3回転トウループのフリップが1回転になるミスを犯した。ショート2位ながら、ジャンプミスが響きフリーは5位に終わり、初の表彰台を逃した。「4年前はジャンプで精一杯だった」と振り返る坂本だが、同じミスをしても今年はコンビネーションにつけたことで、僅かの差で逃げ切れた。
指導する中野園子コーチは、「あのトウループをやっていなかったら、フリーでは点数が足らなくて2番になっていた。あれをとっさに締めたのは偉かったと思います」と、トウループをつけたことが勝敗の分かれ目だったと強調している。
昨年は北京五輪での銅メダルや世界選手権の金メダルなど、世界のトップ舞台で戦った。その「経験が生きた」と語る坂本。たとえミスしても挽回できる地力をつけたことで、「今はステップとか、他の表現のところでも頑張ろうって思っている。そこは成長しているかな」と手応えを感じている。
2連覇したことで、来季はより求められるレベルが高くなる。世界女王は表現の幅を広げる意味で、「ダンス、バレエなどを取り入れるべきかな。それが実行できたら」と、来シーズンを見据えた。
現状に満足することなく、世界女王は成長を追い求めていく。
取材・文●湯川泰佑輝(THE DIGEST編集部)
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