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「トランプ対デサンティス」大統領予備選で共和党内紛の可能性

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 トランプ前大統領が敗北を喫し、その後の大騒動につながった2020年大統領選からはや2年半近くが経過し、24年の大統領選がおよそ1年半先に迫っている。バイデン現大統領は今のところ再選出馬に意欲を示しており、トランプ氏も昨年、ライバルけん制のためか訴追回避のためか、通常より早い時期に大統領選出馬表明をした。

 トランプ氏は今でも共和党支持者に圧倒的人気を誇っており、ほかの共和党員はトランプ氏からの攻撃や支持者を失う恐怖からか、表立ってトランプ氏に立ち向かうことを避けている。トランプ氏は2021年1月6日の連邦議会襲撃事件をはじめとして、ニューヨークでの脱税疑惑、選挙法違反、婦女暴行など、さまざまな容疑で取り調べを受けており、本当に次期大統領選に出馬できるか否かは微妙な状況で、早々と出馬表明をしたトランプ氏を尻目に背後では彼を訴追する準備が着々と進んでいる。そのようななか、ほかの共和党員たちもトランプ氏訴追、失脚の流れを予測したためか、大統領選出馬表明や表明に向けた活動をし始めている。

◆「ポスト・トランプ」を狙う共和党候補者たち
 元サウスカロライナ州知事で、トランプ政権時代の前国連大使でもあるニッキー・ヘイリー氏は2月14日、トランプ氏以外で初めて共和党員として大統領選予備選出馬表明を行った。NBCニュースによると、ヘイリー氏はビデオによる出馬表明で「財務責任を再発見し、我々の国境を安全化して、わが国とプライド、目的を強化するための新しい世代のリーダーシップの時代が来た」と述べている。

 もう1人、大統領選共和党予備選への出馬がほぼ確実視されているのが、フロリダ州知事のロン・デサンティス氏である。同州内で権力を握る同氏にはトランプ氏の権威主義を継承するような独裁者的行動が見られ、民主党の一部にはトランプ氏よりもさらに危険な人物ではないかと思われている。デサンティス氏は、トランプ氏が現在同州内マーアーラゴに居住しており、人気面でもトランプ氏を追う2番手であることからか、今のところは出馬を明言していない。しかし予備選の鍵を握るというアイオワ州や、政敵ギャビン・ニューサム州知事の本拠地である全米最大の選挙区でもあるカリフォルニア州に出向くなど、水面下では出馬への準備を着々と進めているようだ。

 CNNによると、大統領選共和党予備選に出馬する思われると面々には、マイク・ペンス前副大統領やテキサス州選出のテッド・クルーズ上院議員、反トランプのラリー・ホーガン前メリーランド州知事、中道派のエイサ・ハッチンソン前アーカンソー州知事とクリス・スヌヌ前ニューハンプシャー州知事、トランプ政権時のマイク・ポンペオ前国務長官などがいる。

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◆トランプ氏、デサンティス氏攻撃を激化
 これら多数の共和党員のなかで、トランプ氏後継者として最も有力と目され人気を集めているのがデサンティス氏だ。共和党および共和党寄り無所属有権者を対象としたCNNの世論調査では、40%がトランプ氏を支持し、36%がデサンティス氏を支持するという結果となり、その差は4%とじりじりと縮小してきている。その後に続くのはペンス前副大統領とヘイリー前国連大使だが、支持率は6%と大差をつけられている。

 そのようななかでトランプ氏はデサンティス氏を再選の野望を阻む可能性がある敵とみなし、攻撃を始めた。ABCニュースによると、トランプ氏支持のスーパーPAC「MAGAインク」は、デサンティス氏が選挙運動資金と倫理規定を破り、大統領選出馬表明をせずに「シャドーキャンペーンを行っている」という苦情をフロリダ州倫理委員会に提出した。つまり、同氏がまだ正式に出馬表明をしていないにもかかわらず、裏では他州に遊説に行くなどの選挙運動を進めているということである。トランプ氏はほかにも自身のソーシャルメディアにデサンティス氏を嘲る投稿をするなど、同氏に対する攻撃を激化してきている。

 デサンティス氏は今後5月か6月には正式な出馬表明を行うとみられており、そうなれば「トランプ対デサンティス」の共和党内紛はさらに悪化するものと予想される。そうなれば共和党そのものの信用やイメージにも傷がつくと思われるが、今後デサンティス氏がトランプ氏からの攻撃にどのような対応をするかに注目が集まっている。

 
   

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