「社長への直接的な営業はオンラインの方が決まりやすい」そう語るのは日経メディアプロモーションの峯村昌志氏。3月25日に発売された『社長ダイレクトZoom営業』(ぱる出版)の著者であり、WEB会議ツールを使った営業術の第一人者だ。
今、この“社長ダイレクトZoom営業”がアフターコロナ時代の営業方法として脚光を浴びている。誰もがコロナ禍で思うように営業活動ができなかった時期に峯村氏は、オンライン営業で社内成績のトップを維持し、コロナ禍前と比べ140%と伸ばした。その技術はどのように培われたのか。WEB会議ツールを利用した営業に至った背景や成功のコツなどを峯村氏に聞いた。

WEB会議ツールは地方営業に有効
峯村「新卒で就職したのが広告代理店で、40代前半で会社を興すまでずっと営業畑を歩んできました。会社を興してからは資金繰りに追われる日々。7年後にギブアップして経営の才覚はなかったと痛感しましたね。でも、社長業を経験したことが今に活きています。社長が何を求め何に悩みながら生きているのか分かっているつもりです」
そんな峯村氏が再就職先として選んだのが、日本経済新聞社グループのコンテンツや研修商品などを販売する日経メディアプロモーションだ。
峯村「200名ほどの規模の会社ですがメジャーな会社や大企業はすでに営業担当が決まっています。そこで地方の中小企業さんをターゲットに営業活動をはじめました。ところがコロナ禍になり対面営業ができなくなってしまった。そこで考えたのがZoomを活用したオンライン対面営業でした」
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ミーティングをすることはあっても営業でWEB会議ツールを活用することは少ない。しかも社長へ直接に営業をするなどかなり珍しいのではないか。
峯村「対面では時間をとってくれなかった社長が「オンラインならば、」と興味を持ってくれるんです。社長というのは常に面白い情報を探しています。良い話なら聞きたい、そう思っている方は大勢いらっしゃる。そんな社長にダイレクトにアプローチできるのがWEB会議ツールなのです」

とにかく誰かを介さず社長と交渉する
峯村「まず前提として営業するのは社員数500名以下の企業です。それ以上になってしまうと社長とのオンライン会議には至りません。電話でアポイントメントをお願いするわけですが、「社長は今日おいでですか?」と失礼のない程度にフランクに聞いてしまうのがコツ。意外と取り次いでもらえます。経験上、テレアポから社長ダイレクト営業まで至る割合は10人に1人。この確率は決して低くないと思います」
社長が不在な場合は、あえて携帯番号と社名を残すのみの伝言が有効だそうだ。また、もういちど連絡するときは最初にアポイントメントをお願いした人を指名するのがコツという。
峯村「社長ではなく役員が出てくる場合もあります。でも、それはお断りです。誰かを介在してボトムアップするのは決まらないと思った方がいい。とにかく社長直々にこだわってください」
なかには、社長にアポをとりたいと話しても社長に確認すらしないスタッフや、いきなり怒鳴りつけてくる社員や役員もいる。その会社の電話対応ひとつで社風が分かるという。これもリサーチのひとつとして前向きにとらえている。