石井:花火師さんの価値を、これだけ高めようと思ってくださる主催者は初めてです。「花火師さんにもランクがあってもいいのでは」と言われた時に、すごく感動しました。今までそんなことを言ってくださる主催者はいませんでした。やはり演出を含めて花火会社によってその差は歴然です。それが認知されるといいなと思いました。だからこの花火大会は“BIG4”なんです。
――この4社がやるからこそのこの価格設定という見方もできます。
石井:そうですね。これまでは2社でとか、色々な組み合わせはありますが、この4社でやるのは「The絶景花火」が初めてということも大きいと思います。
実行委員:去年感動したのは、ラストのBIG4合同のプログラムでした。想像を遥かに超えた美しさでした。
石井:花火の色も形も各社それぞれ特徴があるので、同じものがひとつとして上がらないところが凄いです。逆にいうと、もったいないと思うくらいすごい花火がたくさん上がりました。普通は各社プログラムが割り当てられてるので、当日までそれぞれが何をやるかわからないというパターンがほとんどです。でもこの大会に限って言えば、各社打ち上げる部分を合同で玉を出して、演出も合同で相談して、本番もたっぷりと見せ場を作って、お客さんに喜んでいただけました。その後、早速同じような構成で見せる花火大会が出てきましたが、この4社だからこそできるワザなので、マネできません。

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――この大会は五感で感じる『完全感覚花火』ということも謳っていますが、確かに反響音が肚と胸に響いてきました。
実行委員:富士山が近くて、会場にロッヂがあって反響するので、反響音が凄くきれいだと思います。打ち上げ場所から観客席まで遮るものがなくて、ダイレクトに花火の衝撃波を感じることもことができます。花火大会というと海や川、湖での開催が多いので、花火が水平に上がるのが当たり前でした。でもこの大会はスキー場で斜面になっているので、花火が降ってくる感じがしますが、山の花火では火事に最新の注意を払っています。消火用のドローンをいち早く導入しました。
――去年第1回目を終えた直後の感想を覚えていらっしゃいますか?
石井:最初の花火が始まってしばらくして薄暗くなっても、富士山が結構見えたことが収穫でした。富士山と花火の構図が抜群によくて、富士山が遠すぎず、近すぎずという感じで、これは富士山好きには堪らないはずだと思いました。日本人が富士山を好きな理由が改めてわかった気がします。日本人も海外の人も憧れる富士山で、日本一の花火師さんが美しい花火を上げてくれるこの花火大会に、一度は行ってみたいねって言ってもらえるようになるといいなと思いました。
齋木:長い間この世界でやってきて、違うところをくすぐられたというか、やっぱりこの4社でやった花火を見終えて「これ、いいもんだな」って改めてプロとして感じました。それから実行委員会の皆さんが、花火師をすごく大切にしてくださっていると感じました。例えばお弁当ひとつとっても、すごく豪華で美味しくて、職人、特に若手はこれでモチベーションがあがります(笑)。
実行委員:花火師さん、職人さんたちはアーティストですから。去年終演後、磯谷煙火店の磯谷さんがおっしゃっていた言葉が印象的で、長年やってこられたけど「音楽がない花火を改めて一生懸命考えて、新たに勉強することができた」と。「昔は音楽がないのが当たり前だったのに、今また音楽なしで魅せる玉を考えるのが楽しい」とおっしゃっていて。業界のトップを走っている方にそういう言葉をいただけると、やってよかったなって思いました。
齋木:最初音楽なしで、と聞いた時は“間”がどうかなという心配が少しありました。ただ花火のみで勝負というコンセプトは、逆に今面白いと思いました。
石井:音楽がないと花火のよさもはっきり出て、花火だけで勝負できるので自信がなければ音楽なしではできません。
実行委員:それから春に富士山と花火と桜を観ることができるのも、この大会のウリのひとつで、会場へと続く道の両側に桜が咲いていて、桜を使ったゲートも作りました。それを撮っている方が多かったです。
石井:ゲートが綺麗で、ゲートがある花火大会も他にないと思います。

――逆に気になる部分はありましたか?
石井:まだ1回目なので花火師さん、運営サイド、色々と思うところ、感じるところはあったと思いますが、私は自分が開催している花火大会の時も花火師さんと相談する時、あまりマニア向けの内容にしたくないと言っています。もちろんマニアの方にも見たい、来たいと思ってもらうことは大切です。それと同じくらいやはり一般の人に、今年は必ず行ってみたいと思ってもらえるように、もしくは毎年来たいよねと思ってもらえるような花火大会になって欲しいです。
――今年はチケットの種類が増えて「富士山天空チケット」という気になるネーミングのチケットがあります。
実行委員:これはロマンスリフト頂上に設置した特別席で日本で一番高いところにある観覧席です。ここから下を見ると他の観客席と街並みが見渡せます。

――さらに今年から始まる、VIP席専用の“絶品美食サービス”というのはどんな内容なんでしょうか?
実行委員:富士山と花火と桜という、まさに“メイド・イン・ジャパン”といえるのがこの「The絶景花火」です。海外の方にもたくさん来場していただきたいので、食事も日本らしいものがあった方がいいと思いました。それでマグロの解体ショーをやります。加えてお寿司と天ぷらと焼き鳥とたこ焼きという、日本のフィンガーフード用意しました。山梨県は酒蔵も多いので、今後は山梨の日本酒を出したいと思っています。
――昨年会場に伺って感じたのは、バリアフリーと環境への心配りが徹底されていることでした。
実行委員:車椅子で来場されたり、足の悪い方が来場されても、駐車場から客席までがフラットで、数分で行くことができます。花火大会って身障者の方が行きづらいイメージがあるかもしれませんが、この大会は身障者用のトイレも完備している他、受け入れ態勢は整っています。それから入場時に椅子をお配りしていますが、この椅子も段ボール製でSDGsを考えたもので、折りたたんで持ち帰っていただくと普段使いもできるし、ゴミも出ないというメリットがあります。
――今後の展望を教えて下さい。
実行委員:どんどん新しいことをやり続けていきつつ、伝統の花火という肝の部分は守っていきたいです。3~4年後には、世界的に有名なフランス、東南アジア、UAEの花火師さんも招聘して、BIG4とWBCのような花火のオリンピックを開催したいです。世界中からたくさんの人が集まってくれるはずです。
