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「9歳長男の自己肯定感を育みたい」41歳男性に、笑い飯・哲夫が勧めた“子どもとの接し方”

日刊SPA!

「9歳長男の自己肯定感を育みたい」41歳男性に、笑い飯・哲夫が勧めた“子どもとの接し方”

9年連続でM-1の決勝ラウンドに進出し、’10年にM-1王者に輝いた実力派芸人、笑い飯の哲夫。小・中学生向け学習塾の経営者としての顔も持つ彼が、令和ニッポンの教育について考え、悩める親たちの相談に答えていく新連載が開始!
◆早生まれの長男の「自己肯定感」を育みたい

相談者◉41歳男性・会社員(妻、長男9歳)

今年9歳になる長男は早生まれ。周りに比べると身長も頭ひとつ分小さく、学習能力もコミュニケーション能力も後れを取っていると感じます。小さなことで言うとちょうちょ結びがなかなかできなかったり……。本人も焦りがあるようで、周りと同じようにできないと癇癪を起こしてしまう傾向があるのも心配です。

先日、3年続けている剣道の大会を観にいったら、周りの子に「〇〇くんはできないから」とみそっかす扱いを受けており、親としてとてもショックでした。わざわざカネを払って失敗体験をさせるのはバカらしいとも感じました。

時間が解決する問題かもしれませんが、なんとか子供に自己肯定感を育んでもらうにはどうしたらいいでしょうか。

◆哲夫のアンサー

まず、お金を払って失敗を体験させてあげるのは、とても有意義なお金の使い方だと思いますので、その点はご了承くださいますようよろしくお願いします。

子どものとき、家の手伝いなどで何かしらの楽をかましていると、「若い時分の苦労みたいなもん買うてでもせなあかんのや」と、よく叱られました。不条理な説法だとそのころは嘆いていましたが、今となってはその通りだと思っています。

若い時こそ苦難にぶつかって知恵を習得するべきだし、その知恵を生かしてゆくゆく社会で羽ばたけるわけですからね。羽ばたくために苦労をお金で買うとなれば、そのお金は大人から子供への先行投資といえるはずです。子供たちがよりよい大人になるための投資こそ正しい資産運用ではないでしょうか。

◆とことんまでやらせるのも学習

いろんな遠回りの道を知ってから導き出した近道には、喜びと感謝が生まれます。逆に近道しか知らなければ、遠回りの風景に出合えないこともあります。

そこにはきれいな桜が咲いているかもしれませんし、とんでもない樹齢の杉が屹立しているかもしれません。また、以前はどこかの家庭で使われていたと思われる椅子が置いてあるバス停に出くわすかもしれません。

とはいうものの、我が子には早いうちから背伸びの教養を授けてあげたくなりますよね。しかし人間の成長にとっては、その年齢でやるべきことを、その年齢の時期にじっくり舐め回させてあげるのも大事と思います。いつまで紙飛行機作っとんねんと憂うより、紙飛行機が楽しい時期にとことん紙飛行機を追求させるのもいい経験です。

うちの子にも、いつまでアンパンマンレジスターで遊ぶねんと忠告したこともありますが、アンパンマンレジスターの時期に、たまにはとことんまでやらせるのが学習だと思います。

◆ついつい大人は子どもを褒めることを忘れがち

こうした経験がいつか未知の航空力学となり、粋な経済学に繋がるかもしれません。とことんする前に学年が上がってしまうかもしれない早生まれの子にとっては、なおさらです。

バッティングセンターで、上手な人に打ち方のポイントをいくつか教えてもらっても、しばらくするとその一つを忘れていたりします。同じように、子育てにおいても重要な箇所が多すぎて、ついつい大人は子どもを褒めることを忘れてしまいます。子供は確実に褒められ足りていません。

桜の花びら一枚だけを目の前で観察しても褒めるところは見つけにくいですが、桜の花が咲き誇る木々を遠くから観察すると、褒め称えるところがたくさん見えてくると思います。一歩引いてみたら、小さい体で必死に剣道を続けるお子さんの優れたところも見えてくるのはないでしょうか。

桜の木々は、褒められるからいつも自己を肯定しています。「今ハゲてるだけでまた咲くし」。

★失敗体験を重ねて少しずつ成長する姿を褒めてあげて

図版/ミューズグラフィック

―[笑い飯・哲夫の寺子屋 子どもを幸せにするシン・教育論]―



【笑い飯・哲夫】
’74年、奈良生まれ。関西学院大学文学部哲学科卒業。’00年に西田幸治と漫才コンビ・笑い飯を結成。『えてこでも分かる笑い飯・哲夫訳 般若心経』(ヨシモトブックス)など著書も多数
 
   

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