
子供を初めて持つ親は、予行演習のないまま親となる。ましてや父親の場合、自分にきちんと子育てができるかどうか心配になるのだろう。
だからといってなぜアライグマだったのか?その理由はアライグマの知能は人間の子供に近いと、どこかで聞いたからだそうだ。
アメリカ・カリフォルニア州に住むの男性は、妻から「子供がほしい」と言われ、自分はいったいどんな親になるのか?子育てができるのかと心配した。
そこで、親になる準備ができているかどうかを試すため、アライグマをレンタルして、子育てシミュレーションを試みたようだ。
I Rented a Raccoon to Simulate Having a Child
ペットのアライグマを借りて、父親になれるかどうかを確認
ウィリアム・オスマンさんは、去年妻のチェルシーさんに「そろそろ子供がほしい」と言われた。オスマンさんは、自分が子供を持つ準備ができているのかどうかわからなかった。実際に子育てに関する不安もあった。
そこで、オンライン検索でペットのアライグマをレンタルすることにした。
アライグマと人間の子供はまったくの別物だが、オスマンさんはアライグマの知能は人間の子供と似たレベルだと聞いたことがあり、アライグマで代行してみることにしたのだ。

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飼い主に連れられてオスマンさん家にやってきたのは、2歳のアライグマ、オリバー(オス)だ。
飼い主から事前にアドバイスされたことは、「家を子供が住めるような安全な場所にすること。危険物には触れさせないようにすること」だった。
夫婦2人で暮らしていた時とは異なる生活のルールを始めたオスマンさんは、とにかくオリバーのいる暮らしに慣れてみようとした。

生活の変化に大変さを感じる
子育てをしている間、特に子供が小さい時は、親は自分ための時間を持つことがほとんどできなくなる。2歳のオリバーは、ちょうど幼児のような行動レベルで、やんちゃ盛りだ。
好奇心旺盛に行きたいところへ行き、好きな場所へのぼったり隠れたり、食べ散らかしたりと、なにかと世話がかかる。

オスマンさんは、オリバーのために食事を与えたり、本を読み聞かせたりするが、オリバーは当然あちこちを動き回る。
オスマンさんが仕事でズームをしている時にも、オリバーは背後でゴソゴソ。気を散らされて集中できず、やむなく中断をすることになってしまった。

さらに、子供ができたら誕生日パーティーは欠かせない。
ということで、誕生日でもないのにオリバーにケーキを注文して誕生日パーティーをしてみたが、オリバーはちょっと口をつけただけで食べようとせず、すぐに席を立ってしまった。
アライグマをレンタルして学んだこと
これまで、オリバーの行動を抑制することなく、自由に振る舞わせながら、「親になるってこういうことなのか?」と自問してきたオスマンさん。だが、アライグマはアライグマなのであり、人間の子供とは根本的に異なる。オスマンさんは、それは理解していると動画では話している。
それでも、アライグマの世話をしていて、物事がうまくいかなかった時には、つい「俺ってだめな親なのか?」と、自分に問いかけてしまうようになっていることに気付いた。

そんな時、「じゃあ、良い親ってなんなんだろう?」という疑問も逆に沸いた。
すぐに答えが出せなかったオスマンさんは、自分が幼かった時に家族に祝ってもらった誕生日パーティーのビデオを見てみることにした。
すると、当時の両親の自分への対応を見て、貴重な教訓を学んだことに気付いた。
それは、次のようなことだ。
親になるのに大切なことは、物事がうまくいくようにすることではなく、うまくいかない時にどのように対処するか、その方法を学ぶこと。最終的に、アライグマをレンタルして、子育てのシミュレーションをしたことで、「子供を持つ準備ができているのかどうか」となると、やっぱり「わからない」となったオスマンさん。

でも、オリバーの世話をする前よりも、オスマンさんの中で「わからないのなら、わからないなりに試行錯誤してやっていけばいい」というような思いに変わったようだ。
結局、それぞれの家庭で子育て方法は異なるわけだし、子育てしながら親も一緒に学んでいくわけだし。
アライグマをレンタルしたことは、まったくの無駄ではなかったということかな。
References:Man Borrows Raccoon to See If He’s Ready for a Kid/ written by Scarlet / edited by parumo