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日本センチュリー交響楽団コンサートマスター・松浦奈々、ひさびさのソロリサイタル『パリへのオマージュ』開催 初のフレンチ・プログラムに挑む思いを語る

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松浦奈々 (C)FUKAYA_Yoshinobu_auraY2



日本センチュリー交響楽団のコンサートマスター、松浦奈々が、2023年4月25日(火)、大阪のあいおいニッセイ同和損保ザ・フェニックスホールでひさびさのソロリサイタルを行う。

公演タイトルは『松浦奈々 パリへのオマージュ』。セザール・フランクの名曲、ヴァイオリン・ソナタ イ長調をメインに、フランス近代を彩る作品の数々を採り上げる。初のフレンチ・プログラムに挑む松浦に訊いた。


ーー2019年にベートーヴェンのツィクルス、2020年にブラームス、2021年にはモーツァルトとリヒャルト・シュトラウスと弾いてきて、今回はすべて近代フランスの作品によるプログラム。「パリへのオマージュ」というタイトルが新鮮です。

もともとフランスの作品が好きで、いつか弾いてみたいと思っていたんです。それで今回、リサイタルのお話をいただいた時にそれならフランクのソナタをメインにやってみたいと提案して、この選曲になりました。2019年度の咲くやこの花賞をいただいた時に受賞記念のコンサート(2021年2月/阿倍野区民センター)でこのソナタを演奏して、とても気持ちよく弾けたので、今考えればその時の演奏が今回のプログラムのきっかけだったような気がします。

ーーフランスの作品の魅力はどんなところにあるのでしょう?

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やはり色彩感かなと思います。なんとなく色のイメージを感じるので演奏も色彩感豊かなものにしたくて、例えばラヴェルが濃い緑だったらドビュッシーは深紅だったりとか、そこへプーランクの差し色を入れて、また何かショーソンが深い色で、みたいな感じでプログラムを考えました。

プーランクのソナタとショーソンの『詩曲』はコンサートで弾くのは初めての曲です。特に『詩曲』は大好きな曲で、もうこれはいつか絶対弾きたいと思っていました。オイストラフがオーケストラと演奏した『詩曲』が学生時代に大好きで、音色と曲がぴったりだな、と思いながら聴いていた時期があります。私の『詩曲』はまた別の感じになると思いますが、今回は坂野伊都子さんのピアノなので、安心してチャレンジさせていただこうと思っています。

ーー坂野伊都子さんは前回、R.シュトラウスとモーツァルトをご一緒に弾いた方ですね。あの共演の時にとても大きな表現力を感じました。

坂野さんと初めてご一緒したのは私がまだ学生時代の頃で、リヒャルトがそれ以来だったから、もう20年ぶりくらいの共演でした。私が教えていただいた、原田幸一郎先生が手掛けていた演奏会で室内楽を弾いたのが最初です。坂野さんはその頃から、いろんな仕事をされていて素晴らしいピアニストだなって思っていたので、いつか一緒にやりたいな、と考えていました。

それで前回、坂野さんがリヒャルトがすごく上手なのを知っていたのでお願いしたらめでたく引き受けてくださって…。今回も、実はけっこうピアノがたいへんなプログラムなので相談したら「いいよ」ってサラッと言ってくれたので、私もすごく楽しみですし、お客さまもぜひピアノの音色に注目していただければ、と思います。


ーー先ほど少し話に出ましたが、2019年のベートーヴェン・ツィクルスでは咲くやこの花賞を受賞しました。どんな思いがありましたか?

とても光栄なことだと思いました。賞をいただいたことはもちろんだし、自分の音楽がまとまり始めた30代という年齢のうちにソナタ全曲にチャレンジする機会をいただいて、それが評価されたというのは演奏家としてすごく恵まれたことだなと思います。ベートーヴェンのソナタ全曲なんてまず弾ける機会がないですから。

今の私と同年代の頃に作曲家がどんな景色をみていたのかということも知りたかったし、もう少し歳を取ってから見るベートーヴェンはまた少し違ったものになるだろうし。あの時期にそこに向き合って結果を残せたことにとても感謝しています。

ーーそんなソリストのキャリアも重ねながら、松浦さんは日本センチュリー交響楽団のコンサートマスターとしてオーケストラを牽引する存在でもあります。ソロとオケの仕事の間で、悩んだり迷ったりということはありましたか?

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