
このたび泉屋博古館東京にて、3月18日より5月21日まで「特別展 大阪市立東洋陶磁美術館 安宅コレクション名品選101」が開催されます。
日本有数の東洋陶磁の名品を所蔵する大阪市立東洋陶磁美術館。
その中核をなすのが、安宅産業株式会社の安宅英一氏(あたか・えいいち 1901-1994)の美意識によって収集された961件におよぶ東洋陶磁からなる珠玉の「安宅コレクション」です。
従来の伝統的な価値観や枠組みにとらわれることなく、安宅英一という一人の芸術家的な眼をもった収集家によって築かれたコレクションで、国宝《飛青磁 花生》《油滴天目 茶碗》に代表される優れた中国陶磁143件、高麗・朝鮮時代を代表する作品を数多く含む韓国陶磁791件を中心に構成されています。
本展では、安宅コレクションから国宝2件、重文11件を含む名品101件が選ばれました。珠玉の東洋陶磁を是非、この機会にご堪能いただき、心癒されるひとときをお過ごしください。それでは、展覧会構成に従って、いくつかの作品をご覧いただきましょう。

泉屋博古館東京外観写真
1)珠玉の名品室
安宅コレクションを代表する珠玉の名品です。茶の湯的な美意識や近代以降の新たな鑑賞陶磁や民藝的な美意識を超えて、安宅英一が見出した「美」の神髄をご堪能ください。

《加彩 婦女俑》(かさい ふじょよう)
中国 唐時代 8世紀
大阪市立東洋陶磁美術館(住友グループ寄贈/安宅コレクション) 写真:六田知弘

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《青磁陽刻 筍形水注》(せいじようこく たけのこがたすいちゅう)
韓国 高麗時代 12世紀
大阪市立東洋陶磁美術館(住友グループ寄贈/安宅コレクション) 写真:六田知弘

2)韓国陶磁室
安宅コレクションの中でも質、量ともに世界有数のコレクションである韓国陶磁。その柔らかな美しさは早くから日本人の心を魅了しました。長く立ち上がる頸が優美な高麗時代の《青磁陽刻 牡丹蓮花文 鶴首瓶》、比類ない朝鮮時代の逸品《粉青鉄絵 蓮池鳥魚文 俵壺》など、各時代を代表する名品が紹介されています。

《青磁陽刻 牡丹蓮花文 鶴首瓶》(せいじようこく ぼたんれんかもん かくしゅへい)
韓国 高麗時代 12世紀
大阪市立東洋陶磁美術館(住友グループ寄贈/安宅コレクション) 写真:六田知弘

《粉青鉄絵 蓮池鳥魚文 俵壺》(ふんせいてつえ れんちちょうぎょもんひょうこ)
韓国 朝鮮時代 15世紀後半-16世紀前半
大阪市立東洋陶磁美術館(住友グループ寄贈/安宅コレクション) 写真:六田知弘