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松山ケンイチ&長澤まさみ、42人を殺した介護士とそれを裁く検事役で初共演 「男女でも、言論での殴り合いが本気でできるんだなと思った」『ロストケア』【インタビュー】

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 ある民家で老人と介護士の死体が発見された。捜査線上に浮かんだのは死んだ介護士と同じ訪問介護センターに勤める斯波宗典。彼は献身的な介護士として介護家族に慕われる心優しい青年だった。検事の大友秀美は、斯波が勤める訪問介護センターで老人の死亡率が異常に高いことを突き止める。大友は真実を明らかにするべく斯波と対峙(たいじ)する。葉真中顕の日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作を前田哲監督が映画化した『ロストケア』が、3月24日から全国公開される。本作で、介護士の斯波を演じた松山ケンイチと検事の大友を演じた長澤まさみに話を聞いた。

-今回は、難役だったと思いますが、演じるに当たって気を付けた点はありましたか。また、この映画のメインはお二人の対決シーンでしたが、互いの演技を見ながら、どんなことを感じましたか。

松山 まず、斯波というキャラクターは、42人を殺害していますよね。これは原作通りなのですが、原作が発表されたのは10年前です。その当時は、介護殺人がまだあまり表に出てきていませんでした。その後、介護殺人の事件がいくつか起きてしまい、命の選別や優生思想が問題になったりもしましたが、それは障がい者だけではなくて、うば捨て山のような考え方も含まれているような気がします。

 ただ、それは、僕らが『ロストケア』という作品を通して伝えたいことではなかったので、同じ殺人でも、これは全く違うというところを、演技で明確に表現しなければいけないという課題が新たに出てきたと思いました。もし、そういう事件が起こる前に、この作品がクランクインしていたら、また違う表現だったかもしれないと。

 けれども、実際にそういう事件が起きてしまったので、それとは明らかに違うということを表現しなければならない。そこはすごく悩みましたし、監督とも何度も話し合いました。とにかく、間違って伝えないようにしないといけないなと。そこには誠実さがなければ伝わらないものもあるだろうと。誠実さと殺人者というところが、うまくリンクできればいいなと思いながらやっていました。

 大友と斯波は全然立場が違うし、ある意味、法の番…

 
   

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