
YouTubeでの情報発信においてターゲットを的確に設定し視聴数を伸ばすには、視聴者の属性だけでなく、視聴者がどんな状態でいるかも重要です。かつて楽天で「ラクマ」や「6時間タイムセール」等のヒット企画にかかわったYouTubeプロデューサーの大原昌人氏が著書『会社の売上を爆上げする YouTube集客の教科書』(自由国民社)より、YouTubeのターゲット設定で見落としがちなポイントを解説します。
YouTubeは新聞ではなく「週刊誌」
YouTubeのターゲットをイメージする際、多くの企業が見落としているポイントがあります。それは、同じ30~40代男性でも「普段の30~40代男性」と「YouTubeを見ているときの30~40代男性」とでは別人といっていいほど理解力や温度感が違うということです。
たとえば30~40代男性向けの高級スーツ店があったとします。
顧客の多くは、比較的年収が高い大手企業の社員や経営者―。平日は都心のオフィスでバリバリ仕事をこなし、必要があれば難解な専門書を読むこともある人たちです。
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しかし、そういうエリート層に見てもらうことを想定してYouTubeチャンネルを運営してはいけません。
YouTube視聴者にはインテリもいれば、そうでない人もいます。
ここでは視聴者の教養レベルを「書籍・論文を読める層」「Web記事や漫画まとめなら読める層」「YouTubeの話し言葉ならわかる層」「TikTokなど1分以内の動画ならわかる層」の4段階に分けて考えてみます。
くだんの高級スーツ店の客層は、このうち最上位の「書籍・論文を読める層」にあたるわけですが、そのイメージでまじめ度100%のコンテンツを発信したら、間違いなく失敗します。
なぜなら人の理解力(理解できる力、あるいは理解しようとする力)はシチュエーションによって大きく変わるからです。
人がYouTubeを見るのは、たいていが寝る前や移動中の隙間時間、あるいは休日の暇な時間などです。そんなときに、新聞や論文のような小難しい話に触れたいと思うでしょうか?