
宇月颯、早花まこ
宇月颯をはじめとする7人の宝塚歌劇OGが、各ジャンルの第一線で活躍するアーティストとのコラボレーション企画を始動させた。その第一弾として元星組トップスターの湖月わたるをスペシャルゲストに迎え、5月26日(金)~28日(日)に日本青年館ホール、6月2日(金)~4日(日)に梅田芸術劇場シアター・ドラマシティにて、GANMI×宝塚歌劇 OG DANCE LIVE 『2STEP』が開催される。持ち味も世界観も異なる二者の共演を前に、宝塚歌劇OGでライターとして活躍する早花まこによる連載『早花まこの、「2STEP、できますか?」』をお届け。今回は宇月颯に、タカラヅカ時代を振り返ってもらった。(宇月インタビュー①はこちら)

宇月さんは、キレのあるダンスと大胆かつ静かな重みのある演技で存在感を示した男役だった。だが彼女自身は、「私、厄介な生徒でした」と気まずそうに笑う。それというのも、彼女は、舞台に関して納得のいかないことがあれば、恐れることなく演出家の先生に意見を伝えた。出来ない、やりたくないことは率直に言葉や態度に表した。そんな言動で、周囲の人たちを困らせてしまうこともあったという。
「だからこそ、必死に努力はしたつもりです。「意見を言うからには、やるべきことをやって、実力のある男役でいなくては」と思っていました」
そんな自己主張の強い自分を受け止めてくれた月組の生徒さんや公演スタッフの方々に今でも感謝しているのだと、少し恥ずかしげな表情を浮かべて語る。
「芸名」、「男役」、「役柄」……タカラヅカ時代の彼女は、何枚ものベールを被って舞台に立っていた。そしてタカラヅカを卒業してからの舞台でも、「何者かになって踊る」感覚が続いた。
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「そうじゃないと、何も踊れなかったんですよ。何かになれば、不安じゃなくなるから」
そんな宇月さんが「ありのままで踊る」とどうなるのか、想像がつかない。
「そうなんです! だから、すごく楽しみ」
ありのままの自分として踊るためには、他者からの評価にとらわれ過ぎない強い気持ちが必要だと、彼女は感じている。
取材・文=早花まこ

宇月 颯