
自然や孫、亡き夫へのあたたかくまっすぐな気持が詰まった、瑞々しい65の詩。※本記事は、正木ふゆみ氏の書籍『村においでなさい』(幻冬舎ルネッサンス新社)より、一部抜粋・編集したものです。
第二章 枯れ木
村の小川
その源流は奥の村のその奥の杉の木立(こだち)の間に
ポットン ポットン 数滴落ちる岩清水
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それは赤ん坊の叫喚みたいに命の初めのようで
数滴が集まり細い水の流れを作る
それはやっと歩き始めた幼子の一歩のようで
だんだん水の流れを作り始める
それは自己主張をする子どものようで
右や左の谷川水を誘い込み川になっていく