シリーズ「パラスポーツと教育」では、パラスポーツ・パラアスリートからの学びが子どもたちに何をもたらすのか、さまざまな風景から迫ります。
第4回は、愛知県の小学校で行われたワークショップ型授業に潜入。「障がい」について学び、考え、やってみる。子どもたちの発想力を刺激する授業実践は、どんなものだったのでしょうか。
パラアスリートを熱烈に歓迎
2月中旬、パラ・パワーリフティングの山本恵理選手が、愛知県の武豊町立富貴小学校を初めて訪問しました。

山本選手が入っていった体育館では、4年生の児童たちが熱烈な拍手で歓迎します。
「こんにちは!久しぶり!覚えてる?」
山本選手の元気な挨拶が響きます。初めての訪問なのに再会を喜び合う様子。いったいなぜでしょうか。

広告の後にも続きます
実は、今回の対面でのワークショップの2週間ほど前に、山本選手と児童たちはオンラインで45分間の「事前授業」を行っていました。そこで児童は山本選手のお話を聞き、互いに質問し合うなどして交流をしていたのです。
実施されたのは、パラアスリートが行うワークショップ型授業「あすチャレ!ジュニアアカデミー」(主催:日本財団パラスポーツサポートセンター)。通常はオンラインか対面のどちらか1回の受講ですが、今回は両方を利用した2回構成の「特別版」。二段構えの授業構成にすることで、児童たちはより主体的に参加できたようです。
実際に、オンラインと対面でそれぞれどのような授業が行われたのでしょうか。
オンラインでの事前授業で、目的意識をもつ
まずオンラインでの事前授業では、今回のワークショップの目的をしっかりと理解すること、そして山本選手のことを知り、関係を築くことに重きが置かれました。
「『あすチャレ!』って、何の略だと思う?」
授業は、そんな問いかけから始まります。児童たちに「それぞれの自分のチャレンジ」を見つけてほしいという、ワークショップ全体を通してのメッセージをストレートに伝えます。