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盛りすぎヘアに、ネグリジェスタイル…第95回アカデミー賞で物議を醸したドレスをプレイバック

MOVIE WALKER PRESS

盛りすぎヘアに、ネグリジェスタイル…第95回アカデミー賞で物議を醸したドレスをプレイバック

第95回アカデミー賞(以下、オスカー)の授賞式が、米現地時間3月12日夜、ロサンゼルス・ハリウッドのドルビー・シアターで開催された。ポストパンデミックの復活パワーもあいまって、セレブやゲストたちも気合い満点。だが、意気込みが若干空回り…?してしまった、海外メディアでも話題を呼んだルックをリポートする。

■盛りたい気持ちはわかるけど、ボリュームはほどほどに!

いくらセレブでも、社交界やオスカーのセレモニーぐらいでしか、ここまでドレスを“盛る”機会もそうそうないだろうから、ドレスがゴージャスなことは一向にかまわないのだが、“何事にもバランスが大事ね”と思われてしまったルックがこちら。

1940年代のハリウッドがイメージというドレスをまとって久々に表舞台に顔を出したファン・ビンビン。彼女をベストドレッサーの一人に選んだメディアもあったが、単にボリュームの問題だけでなく、グリーンであることからもトゥーマッチな印象が拭えない。こちらが心配することではないのだが、隣の席のゲストは座るのに苦労したに違いない。

シンガーソングライターのテムズのドレス、こちらも「素敵なガウン!」という声もあるなか、いささか洗練度に欠けるボリュームだ。素材がもうちょっとシックだったらベターだったのだろうか。このボリュームでこの軽素材だと、ホイップクリーム感が否めない。また席に座ると後ろの人はほとんどステージが見えなかったとして、批判の声も挙がっていたようだ。

『M3GAN/ミーガン』での好演が記憶に新しいアリソンは、本当の彼女はキュートでスウィートであると言いたかったのであろうか。ガウンの裾だけでもすでにボリューミーかつこのカラーなので、アメリカの砂糖菓子感が強いうえに、ドレスの中心部分のヘムから生えた羽根がますますスタイリングのテーマを曖昧にしている。

カーリーやコイルヘアのヘアスタイリングは、アジア人にはできない素敵でユニークなものも多いが、さすがに今回のダナイのヘアは高すぎか。シンプソンズのキャラクターが頭をよぎる。

■格式高いオスカー。カジュアルすぎるのも問題!

盛ればいいとわけではないのだが、やはりファッションは最も格式の高いものがオスカーのドレスコード。というわけで、カジュアル、ドレスダウン、華やかさに欠けるドレスには、厳しい目が向けられてしまう! 

ボディポジティブを謳い、すばらしいコーディネートで昨今のレッドカーペットを制覇してきたフローレンスだけに、今回は落胆の声が多くなってしまったかも。ハードルが高くなっていたとはいえ、「ボクサーショーツはいただけない」の声が続出。素材やイメージにしてもカジュアルだったようだ。ドレスはともかく、ぽっくりタイプのプラットフォームシューズのカジュアルさを嫌う意見も多くみられた。

プラスサイズモデルとしてキャリアをスタートし、押しも押されもせぬスーパーモデルになったアシュレイだが、カジュアルというかコーディネートがアフターパーティルック向き。特に彼女は別のルックでアフターパーティにも出ているため、時間帯の違うイベントに出席することを踏まえたドレスコードへの差(工夫)がちょっとでいいから欲しかった。シースルー感は素敵なのだが、デザインがネグリジェみたいだったことが不評の原因かも。ネグリジェは寝間着のことだが、もともとはフランス語でだらしない、飾り気がないが語源。もう少しだけ格が高い感じがよかったかも!

『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』への出演で10年ぶりにネイティリを演じたゾーイは、同じくネグリジェ問題。ドレス自体はかわいらしいのだが、オスカーの場では、もうちょっと全体的に華やかなエッセンスやきらめきが求められたかも。ゾーイの長い手足や彼女の伸びやかな魅力が最大限に発揮できていない感じ。

こちらもドレス自体はかわいいのだが、ルーニーのキャラクターもあいまって、世界のメディアがこぞって「地味すぎ」「写真に絶対写りたくない友達を激写した瞬間のような気まずさ」「ゴーストのよう」と、うれしくないコメントを報道。明るい色味をアクセサリーやグルーミングなどに入れてハッピーさや華やかさが必要だったかも。

■鮮やかなカラーをどう活かす?オレンジ対決

どちらも明るいオレンジを選んだ2人。今年は、シャンパン色のカーペットだったことで、色鮮やかなカラーのドレスを選んだことは大正解!…のはずだったけれど、サンドラへは「ヘアスタイルがまだ途中?」「中途半端」という声が。いくつかのメディアからワーストドレッサ―に選ばれてしまった。ネックレスもサイズが大きく、トータルコーディネートで見るとうまくまとまっていない印象で、オレンジドレスの良さが出せない結果に。

その点、インタビューで「テーマは私らしく」と答えたジャネイルは、ブラックのベルベットチョーカーで引き締めるなど“おさえるべきところ”を控えめにしてオレンジとのコントラストをつけ、スタイリングを成功させた。結果、一番見せたいオレンジドレスと彼女の陽気な魅力を引き出した。よって、オレンジ対決を制したのはジャネイルに決定!

■まばゆい輝きが目を引く!ミラーボール対決

エバがデザインの段階からオーダーに関わったという“ミラーボール”デザインのドレス。だが、『デスパレートな妻たち』でセレブの仲間入りしたエバのカービィで綺麗なボリュームのボディラインを充分に表現するにいたっていないかも。腰から下のシルエットがちょっとでも違っていたら、ベストドレッサーになっていたと思うから、惜しい!の一言。

シルエットがとても大事なのは、同じくミラーボールドレスをチョイスしたアリアナ・デボーズと比べるとよくわかる。同じように胸元は大きなV字のカッティングで、ブラウンの肌を華麗に演出し、ウエストはしぼって、かつスカートにはスリットが少しだけ入っていることで、シャープなラインも見せるようにすると全体のコーディネートに緩急が付く。とても似ているドレスなだけに、ちょっとした違いがまったく違う結果になってしまうことを見せつけた、アリアナに軍配が!

文/八木橋 恵
 
   

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