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【NBA】“セルビアのとんでもない逸材”ボグダン・ボグダノビッチが歩んできたエリート街道<DUNKSHOOT>

THE DIGEST

【NBA】“セルビアのとんでもない逸材”ボグダン・ボグダノビッチが歩んできたエリート街道<DUNKSHOOT>

 アトランタ・ホークスのセルビア人シューティングガード、ボグダン・ボグダノビッチが新たにチームと4年間6800万ドルの契約延長に合意したことが報じられた。第一報を報じたのは、選手の契約情報に詳しい、お馴染み『ESPN』のエイドリアン・ウォジナロウスキー記者だ。

 ボグダノビッチが2020年にホークスと交わした契約は、4年目がプレーヤーオプションとなっていた。この年俸1800万ドルの契約を放棄し、FA(フリーエージェント)になる意向であることは、少し前から噂されていた。

 そして今回、ホークスと延長契約に合意した模様だ。単年の金額で見れば100万ドルほど目減りはするが、8月で31歳になる1992年生まれのボグダノビッチにとって、ここから4年間の契約延長は悪くないディールだろう。

 昨オフに右ヒザの手術を受けたため、今季初戦は12月2日のデンバー・ナゲッツ戦と出遅れた。しかしその後は安定して2桁得点を稼ぎ出し、これまでのスタッツは平均14.1点、3.2リバウンド、2.9アシスト。とりわけ3ポイントは297本を放って120本成功(成功率40.4%)と、長距離砲ではチーム随一の戦力となっている。
  ホークスは2月21日にネイト・マクミランHC(ヘッドコーチ)を解任し、現在は2014-15シーズンから8年間ユタ・ジャズを率いたクイン・スナイダーが指揮をとっている。新体制になったことで、この夏はロスターに大鉈が振るわれるのではと噂されているが、このタイミングでの契約延長は、ボグダノビッチが新ヘッドコーチの構想に入っていることを示している。

 ネット上では「ユタ時代はボーヤン・ボグダノビッチ(現デトロイト・ピストンズ)と共闘していたスナイダーHCは、自分のロスターに“ボグダノビッチ”という名前の選手がいると落ち着くにちがいない」というジョークも飛び交っているが、ボーヤンはクロアチア、ボグダンはセルビアと、2人は国籍も違えば血縁関係でもない。

 しかし3ポイントを得意とし、プレーにミスが少なく、欧州仕込みのディフェンスマインドがあり、派手さはなくとも一定のレベルのパフォーマンスを期待できる、という戦力タイプとしては共通点がある。名前についてはジョークとしても、“ボーヤンのような選手がチームにいることをスナイダーHCが好む”というのは、ひょっとしたら的外れではないかもしれない。
  ホークス入団初年度はスターターを務めていたが、昨季後半戦からはベンチスタートが定番となっている。しかし彼はむしろ、その方が真価を発揮できる選手でもある。最初にベンチから試合の様相をじっくりと観察することで、投入された時点で何をどうすればいいかが頭に入っているから、的確に効率のいい仕事ができる、といったタイプのプレーヤーだ。

 現在、ボグダノビッチはホークスで最年長メンバーだ。NBAでのプレー歴では、2014年のNBAドラフト同期のクリント・カペラが上回るが、28歳の彼でもキャリア9年目。そしてドラフト後も3年間ヨーロッパでプレーを続けていたボグダノビッチは6年目と、ホークスは若いチームだ。

 ドラフト後に3年間プレーした欧州の強豪フェネルバフチェでも、当時21歳だったボグダノビッチは、若手が多いチームでリーダー役を担い、チームとともに成長した経験を味わっている。そして3年目には見事、球団初のユーロリーグ優勝も成し遂げた。
  ティーンエイジャーだった彼が頭角を現わし始めた頃、欧州では「またセルビアからとんでもない逸材が登場した」と騒がれた。

“クールで、正確無比なプレーをする死角のない選手”というのが彼の評判で、セルビアの名門パルチザンでプロデビューし、そこから同胞の名将ジェリコ・オブラドビッチに引き抜かれてユーロリーグ優勝という、エリート街道を彼は順調に歩んできた。そこまでの7年のプロキャリアの間に、国内タイトルやMVPといった個人賞など、手に入る勲章はほぼすべて手に入れ、ボグダノビッチはアメリカに挑戦した。

 サクラメント・キングスでデビューした当時「NBAのスピードについていくのが大変」だと漏らしていた彼が、最年長選手となって、新指揮官の下でチームの支柱の一端を担っている。プレーオフ出場をかけてラストスパート中のホークスの奮闘とともに、ボグダノビッチの活躍にも注目したい。

文●小川由紀子

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