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【小説】“夢と現実のはざま”に導かれた少年。役目は「本を読むこと」

幻冬舎ゴールドライフオンライン

本記事は、黒田 真由氏の書籍『色えんぴつのワルツ』(幻冬舎ルネッサンス新社)より、一部抜粋・編集したものです。

Chapter・3 歯車と選択

コーヒーの良い香りが漂う。

「さて、まずどこから話そうか……」

「僕の名前は、狭間(はざま)望(のぞむ)と言います。あなたの名前も教えてもらえますか?」

「私は、瀬戸エドワードだ。私のことは、エドワードと呼んでくれ」

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そう言って、彼は微笑んだ。名前から、どうやら二ヶ国以上のルーツを持つらしいことはわかった。しかし、それよりも解決したいことがある。

「えっと……。エドワードさん?」

「なんだね? 望。なんでも聞いてくれたまえ。それから、さんづけは不要だ」

なんだか、昔読んだシャーロック・ホームズの主人公、ホームズの話し方に似ているのは気のせいだろうか? 話し方が独特だ。

「あの、まずここはどこなんですか?」

「ここは“夢と現実のはざま”というところだ。君は、あの白猫のチャーリーに導かれてここにいる。ここは、その日飾られた“空”というものによって決まる。それは、僕らには扱えない。ロジャーというおじいさんしかわからないし扱えない。あの中央のパズルが、その“空”と呼ばれるものだ。だから、決して触ってはいけないよ」

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