
東京スカパラダイスオーケストラ・谷中敦
東京スカパラダイスオーケストラ(以下、スカパラ)が3月15日(水)にミニアルバム『JUNK or GEM』をリリースした。これまで数々のボーカリストをゲストに迎えてきたスカパラ。幾田りらを迎えた「Free Free Free feat.幾田りら」、Saucy Dogの石原慎也を迎えた「紋白蝶 feat.石原慎也(Saucy Dog)」を経て、今作のリード曲である緑黄色社会の長屋晴子(Vo)を迎えた「青い春のエチュード feat.長屋晴子」で裏テーマでもあった「管楽器3部作」が完結した。今作には3部作のほか、TBSラジオ『JUNK』のサウンドステッカー「JUNK or GEM」のフルバージョンやプロバレーボールクラブ・東京グレートべアーズのテーマソング「北斗七星」など、みずみずしい全7曲が収録されており、春にピッタリの1枚となっている。今回SPICEでは谷中敦(Baritone Sax.)に楽曲の話はもちろん、作詞やツアーについての話を訊いた。

東京スカパラダイスオーケストラ・谷中敦
スカパラは「微調整プロ集団」
ーーまずは「青い春のエチュード」のお話から聞かせてください。もともと長屋さんをゲストにお迎えされたいと思ってらっしゃったんですか?
随分前からお迎えしたいなと思っていて。お会いできる機会はあまりなかったんですけど、自分がやってるYouTubeのトーク番組(『THE FIRST TIMES』内の「FUKA/BORI」)で長屋さんとトークをさせてもらった時に、トロンボーンをやっていたというお話をして。その後、『RISING SUN ROCK FESTIVAL』のバックヤードで会った時、緑黄色社会のメンバーみんなが自分に向かって「長屋をよろしくお願いします! いつかコラボレーションをお願いします」みたいな話をしていただいたんですね。長屋さんがトロンボーンを吹けることもわかっていたし、ちょうど幾田りらちゃんがトランペットを吹いて、石原慎也くんがチューバを吹いてというので、管楽器を吹くボーカリストが並んでいたので、3部作にしようという話になりました。
ーー偶然にも管楽器を吹けるボーカリストが揃ったんですね。
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そうですね。最初からゲストが3人決まっている3部作というのは、今まで全然なくて。「次誰にしようか」と相談したり、楽曲が決まってから探すことも多かったので、偶然に決まった感じですね。
ーー3人とも20代で、今の音楽シーンを代表する若きボーカリストです。
ほんとですよね。よく自分たちとやってもらったなあと、ありがたく思ってます。
ーースカパラにとってもゲストボーカルにとっても、毎回すごく良い相乗効果が生まれているように感じます。
もう長い間やり続けているので、色々な微調整が上手くなっているので、「微調整プロ集団」みたいな感じですよね(笑)。ほんの細かいところからそのコラボレーション自体の粗が見えたりすることがあると思うので、コラボレーションする方との関係性も、音楽のあり方も、歌詞の細かい詰めも、全部綺麗に磨き上げることによって良い曲が生まれると思っていて。微に入り細に入り、アレンジもキーの調整も本当に細かくやってます。今回長屋さんには、最初に自分たちが作った候補の3曲を「ちょっと歌ってみてもらえますか」と連絡をさせてもらったんですけど、3曲ともそれぞれ3つのキー違いを送ってくれたんですね。合計9曲分の音源を返してくれたので、「こういう良さがあるんだね」と聞き取りながら曲とキーを選ぶことができました。すごく生真面目に取り組んでいただいたおかげで、良い作品になったかなと。
ーーキー違いの指定もされたんですか。