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『大病院占拠』比嘉愛未演じる裕子に残った黒幕の可能性 櫻井翔のラスト「嘘だろ」を考察

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■青鬼の“真の目的”とは

 しかし、青鬼の本当の真の目的は、国民に正義を問うことだ。前回、長門知事にハイドラウイルスを打ち(本当に打ったかは分からない)解放。しかしこのままだと、何十万人もの人々が感染する状況だ。そして青鬼は配信で自身にもハイドラウイルスを打ち、マスクを外し、「目の前であなたの愛する人が死にかけています。ですが、あなたの愛する人が死ねば、日本国民1億2千万人が助かります。あなたならどちらを選びますか? 愛する人の命か、1億2千万人の命か」と、抗ウイルスを賭けたアンケートを実施。愛する人が多ければ青鬼の勝ち、1億2千万人が多ければ知事の勝ちとなる。

 これまで鬼たちの「愛する者」が、国民の命を優先したことで犠牲になったことへの問いかけなのは分かる。ただ、急に青鬼が顔出しして「愛する者」の選択肢となることは、視聴者にとって「なんで?」となるだろうし、どれだけナルシストなんだと思われても仕方ない。これまでの配信だと、好感度が上がっているのは鬼ではなく武蔵だろう。それに知事がウイルスをバラ撒く状況なら、現実世界ならさすがに国民は「1億2千万人」に投票するだろう。ドラマの世界では投票が割れるのだろうか?

 ただ、アンケートの答えが出たところで、その先の展望を考えているのか。鬼たちはなるべく犠牲を出したくないという方針でやってきたことからも、このやり方は本末転倒だと思う。そうなると、ウイルスを打ったことはフェイクの可能性も高いし、ハイドラに関してはワクチンが効かない強力なものなので、重要なことは“国民に考えさせること”なのだろう。

■和泉の怪しさの裏には真実が隠されている?

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 ここで改めて気になるのが「愛する人」という言い方。やはり青鬼が自分を「愛する人」とするのはどうも不自然で、これは特定の人物に訴えかけているような気もする。そこで、一番動揺をしていたのが、神奈川県警刑事部捜査一課特殊班(SIS)管理官・和泉(ソニン)だ。

 怪しい動きとして、情報分析官の駿河(宮本茉由)と志摩(ぐんぴぃ)が地下4階の情報を調べようとしたところ、テロリストの要求に応じるわけにいかないと作業を止める。また、和泉を相模が取り調べている間に、武蔵が鬼の要求通りにP2計画の秘密を明かすことに、和泉は「要求には応じないと言ったはずです!」と怒鳴り、武蔵の告発が始まると狼狽え、指揮に戻ろうとするも膝から崩れるほどの精神的ダメージを受けている。和泉にとって掘り起こされてはいけない事案だからだろう。

 これは第8話でP2計画が院長から暴露された後、丹波と備前の会話で「本当にこのまま和泉に指揮を任せるつもりですか? 和泉は本部長が思うほど強い人間ではありません。和泉はこれ以上の重圧に耐えられるとは到底思えません。3年前のあの時だって……」と電話をしていたことからも、パナケイア号集団感染の時に指揮を任されパニックになった可能性がある。また、看護師の潜入捜査官として召喚した淡路(二宮郁)から「ご主人にはお世話になりました、素晴らしい方でした」と言われていたことから、武蔵のように和泉の指揮のもと夫が勇気ある行動を起こし、最前線で活動したために感染した過去があることが推測できる。

 そして現在はP2計画を隠したまま指揮を取る重圧。そこで青鬼の問う選択につながる。1億2千万人を救うために、夫は死を選ばせられた。もしかするとその選択は、指揮をしていた和泉が苦渋の決断を下したのかもしれない。いずれにせよ、知事の思いに賛同しているのは表情から伝わるが、夫も冷凍保存され後悔をしている可能性も。だから地下4階の秘密を公にしたくなかった。つまり、青鬼はその選択を和泉に問いかけているのかもしれない。決して黒幕ではないが、改心して全ての真実を暴露してもおかしくない。

■「イナバウアーチャンネル」の因幡が黒幕だった場合

 また、登録者数250万人超えの「イナバウアーチャンネル」運営の因幡(明日海りお)も黒幕候補だ。因幡に関しては何よりもバズることが目的の人物。おそらくガソスタ事件をスマホで撮影していたのは因幡で、この動画がきっかけで人気チャンネルになった。それによって青鬼に呼び出され、結果的に人質になり、青鬼からは「正義の報道でなく、人質の命を軽視して視聴者数を稼ぐことしか考えない」と糾弾される。青鬼にとっては、ガソリンスタンド事件が拡散されたことの恨みもあるだろうし、百鬼夜行チャンネルの視聴者を増やすために利用したのだろう。

 ただ、元新聞記者である因幡はガソリンスタンド事件の真相を追求するだろうし、3年前の感染事件も知っているはず。知事ともお互い面識がある表情をしていたので、取材で押しかけた可能性もある。つまり、因幡もP2計画の噂を追っていてもおかしくない。面識はないが鬼になる前の鬼たちに様々な情報を提供し、焚き付け、占拠事件の流れに持っていき、鬼たちを利用して真相を追求しようとしたなど、鬼たちを掌の上で転がしていたのが因幡の可能性がある。理由はバズらせるため。もしかしたら本当は正義のためかもしれないが、いずれにせよ「これまで見たものがひっくり返る」という言葉に繋がる。それが因幡ではなくイナバウアーチャンネルスタッフの能登(益田恵梨菜)だったらさらに驚きだ。

■最後まで怪しい裕子の正体

 そして、最後まで分からないのが裕子(比嘉愛未)。これだけのスーパードクターならP2計画は知らなくとも、感染研究の噂は知っていそうだし、甲斐から相談を受けている可能性もある。3年前の事件に直接関わっていても不思議ではない。青鬼が武蔵に恨みを持っているのなら、裕子をリサーチし、接触を図っていてもおかしくない。少なくとも同じ病院で働く灰鬼・常陸潔(水橋研二)から人柄など情報は聞いているだろう。やはり、別居中の武蔵に愛していると言わせ、娘との愛情を確認する流れ、そして現職の刑事としてやる気を出させたことなど、青鬼は武蔵を復活させる為に働きかけていると感じる。それは裕子と密約を交わしているようでもある。

 人質の看護師・安芸(呉城久美)が内通者だとバレないように一部の鬼にしか知らされていなかったように、裕子との関係もごく一部の鬼だけしか知らないのでは。一方で、因幡とは知り合いのように会話していることから、2人は繋がっていて、鬼たちを利用している線もありえる。

 ここで物語の最後の展開として考えられるのが、武蔵が愛する裕子と1億2千万人のどちらかを選ぶ選択に持っていく流れだ。もしアンケートで知事が勝ち、青鬼が抗ウイルス剤を打たないと、側にいる裕子が速攻で感染するだろう。そこで裕子も抗ウイルス剤が必要となる。青鬼がもし抗ウイルス剤を隠し持っていたら、それを巡り武蔵は青鬼と直接対決となる。震えた手で青鬼を銃で撃つかもしれない。

 極論だが、そこで青鬼が持っているであろう爆弾の起爆スイッチを押し、武蔵が「嘘だろ」と言う中で病院を爆破し、ガソリンスタンド事件と同じ状況になる可能性も。爆破に強い武蔵が瓦礫の中から灰まみれで生還し、爆破された部屋には鬼たちの面だけが残されていた……。そして数日後、病院で新たな鬼の影を見てしまう、もしくは平和な家庭に戻ったはずの裕子の部屋に鬼の面があり、武蔵が「嘘だろ」と言って終わる、という予想はどうだろうか。

 さて、「これまで見たものがひっくり返る」とはどんな結末を迎え、どんな櫻井の「嘘だろ」が聞けるのか。そして第9話の終了間際の画面の文字「このあと 武蔵と隊員A、B、C、D、E」と隊員たちが映ったが、主題歌を歌うSnow Manのメンバーではないかという期待の声がネット上で溢れている。(本 手)

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