
参照:https://www.oricon.co.jp/rank/js/w/2023-03-20/
2023年3月11日にエレファントカシマシのツアー『35th ANNIVERSARY TOUR 2023 YES. I. DO』の横浜アリーナ公演を見てきたのですが、2023年3月20日付のオリコン週間シングルランキングでは、そのエレファントカシマシの『yes. I. do』が3位に。2位にはNiziUの『Paradise』がランクインしています。そして、1位を獲得したのは、なにわ男子の『Special Kiss』。50万枚以上を売り上げ、2021年のデビューシングル『初心LOVE(うぶらぶ)』から4作連続での首位獲得となりました。
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表題曲であるミディアムナンバー「Special Kiss」は、メンバーの高橋恭平の初単独主演映画『なのに、千輝くんが甘すぎる。』の主題歌。肉声で幕を開け、ピアノなどの伴奏が加わっていき、ストリングスを含む演奏が流麗に奏でられていきます。メンバー自身によるコーラスのほか、女声コーラスも細かく挿入されてハーモニーを増強しているほか、ときに電子音も。2023年の音楽的なトレンドを考えれば、これだけベースが前面に出てこないことも逆に特徴的であり、美意識すら感じさせます。MVでは、青い空と青い海をバックにして、メンバーが白い衣装で歌いますが、そうした清廉なイメージを徹底させるサウンドプロダクションが際立っている楽曲です。
カップリングの「青春ラプソディ」は、譜割りの細かいメロディで幕を開けます。いかにもTikTokで受けそうなフレーズなのですが、実際、TikTokでの「#青春ラプソディ」の再生回数はすでに約5580万回(3月17日現在)。そうしたメロディに続いて、シンガロングに展開していく爽快な構成がこの楽曲の醍醐味です。エレキギターとエレクトロの音が響き、味つけの強いサウンドになっているのも「Special Kiss」とは対照的。「Special Kiss」ではストリングス、「青春ラプソディ」ではブラスセクションが鳴り響くという点も対照的です。終盤にはサンプリング的な手法での声の挿入も。表題曲になっても良いぐらいキャッチーな楽曲です。
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初回限定盤①のカップリングの「春空」は、メンバーのボーカルとストリングスがせつなさを描きだしていく楽曲。桜咲くこの季節に、多くの人の胸を掻き乱しそうな一曲です。初回限定盤②のカップリングの「新しい恋、はじめよう」は、R&B色の濃いサウンドプロダクション。サウンドの「間」がメンバーのボーカルのみずみずしさを浮きあがらせます。
通常盤のカップリングの「Dance in the Rain」は、シリアスな曲調がメンバーのボーカルの艶を引きたてます。もう1曲の通常盤カップリングである「Viva Viva Carnival !!」は、曲名通りに南米をイメージしたサウンド。ホイッスル、ブラスセクション、ラテンパーカッションなどの音色が響きます。
映画主題歌からTikTokに対応した楽曲、そして季節にあわせた楽曲まで、全方位的にカバーしつつ、各曲のクオリティの高さが光るシングルが、なにわ男子の『Special Kiss』です。(宗像明将)