「オートレーサー森且行 約束のオーバルへ」の舞台挨拶が本日3月18日に東京・ヒューマントラストシネマ渋谷で行われ、出演者の森且行、監督の穂坂友紀が登壇した。

「TBSドキュメンタリー映画祭 2023」にラインナップされた本作は、2021年に起きたレース中の落車事故により両足にまひが残る森を追ったドキュメンタリー。5度の手術とリハビリに励む約2年が映し出される。

4月6日に復帰することを発表した森は「普段の生活にはほとんど支障がなく平気です」と笑顔で報告し、「いろんな方の支え、ファンの皆さんの応援があったからこそ、ここまで来れました」と述懐。そして「(SMAPの元メンバーには)発表の2日前に復帰することは伝えました。映画のことは伝えてないです(笑)」と茶目っ気たっぷりに明かし、観客を笑わせた。穂坂は「5人に対する思いもあってがんばってきた姿を見てきました。だからそこもリアルに映画で映し出しています」と語る。

穂坂は森との出会いを回想し「杖を使わないと歩けない体で『僕、復帰します』と言われたときに、この人はすごいなと思ったんです」と述べ、復帰戦については「無理をしないで走り終えてくれればと思っています」とエールを送る。森が「本当だったら復帰戦までを映画に収めたかったんですよね?」と問うと、穂坂は「森さんへのエールになればいいなと思っていたので、ここまでのことで良いと思っているんです。でも、これは完成版ではない。これからも取材を続けていきたいと思っています」と宣言し、客席からは大きな拍手が起こった。

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イベント中盤には森が復帰戦に対する思いを語る場面も。「完璧な状態にしていきたかったんですけど、それだとあと半年以上かかる。かっこ悪い姿を見せてもいい、負けてもいいから徐々に這い上がっていけばいいと思っていたんです」と話し、「オールスターのファン投票で3位になって、とにかく必ず出たかった。一生懸命、楽しんで走りたいと思います」と口にする。
最後に森は「こうやって映画になって幸せです。たくさんの人に観てもらって、いろんなことを感じてもらえたらうれしいです。監督は完結版、また撮ってくれるんですよね?(笑) 完結目指してがんばっていきましょう!」と意気込んだ。なお最後に森が観客を見送ることが発表されると、割れんばかりの拍手が起こった。