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「クロちゃん」のフィギュアが鬼リアルで震える…!担当者は「会心の出来です」

女子SPA!

 アクションフィギュアシリーズ「figma」から、安田大サーカスのクロちゃんを可動フィギュア化した「figma クロちゃん」が発売決定しました。現在は各ショップで予約受付中です。

「ギャグ顔」「キス顔」「ウィンク」など、表情豊かな頭部が5種類。上半身を差し替えることで、半裸の状態も再現可能に。さらにfigmaオリジナルの関節パーツで、様々なポージングで遊ぶこともできちゃうのです。

 何よりあまりにもリアルな「クロちゃん」すぎる破壊力抜群の出来映え。写真を見ただけで震えが来てしまいました!

 しかし、いったいなぜにクロちゃんのフィギュアを作ろうと思い立ったのか?! 発売元であるFREEingの錦織敬樹さんに、お話を聞いてみました。

過去には江頭2:50のフィギュアも発売

――クロちゃんをフィギュア化することになった経緯を教えてください。

「figmaはもともとマックスファクトリーが生み出したシリーズなのですが、弊社がお借りして、他では作らないものをと考えたのが始まりです。元来は美少女もののアクションフィギュアが多かったのですが、実は以前に弊社で江頭2:50さんのfigmaを出したことがあったんですよ」

――えぇっ、江頭2:50?!クロちゃんの前にもすでに芸人さん、しかもちょっとキワモノ系の方のフィギュアを出されていたということですか。

「その際に大きな反響を生んだことで、意外とアニメやゲームのヒーローやヒロインではない、実在の人物のネタっぽいフィギュアもウケるのではないかと考えました。その後、映画『八つ墓村』の多治見要蔵や、映画『犬神家の一族』のスケキヨ、ちょっと違いますけどロダンの彫刻『考える人』にも展開して、ちょうどニッチながらも面白いアクションフィギュアのジャンルが出来上がってきたところだったんです」

クロちゃんはキモ可愛くてインパクト絶大

――そのタイミングで「次はクロちゃんだ!」と?

「はい。ビジュアル的にも露出度的にも、キモ可愛くてインパクトも絶大なクロちゃんさんがいいんじゃないかと思いました」

――確かにクロちゃんフィギュアが動いて、他のフィギュアに絡んでいくという絵面を考えただけで面白いですね。

「そうなんです。スキンヘッドであの体格って、立体的に考えて面白いと思ったんですよ」

――体毛の生え方まで再現された、とても攻めたフィギュアですが、社内でフィギュア化に反対の声などはありませんでしたか?

「すでに江頭さんのフィギュアを作っていた時点で、反対の声はあまり出ないというか(笑)。むしろ、あれを超えるような企画はないのかと、社長からも後押しをされていたくらいです

アニメ好き以外にもフィギュアを手に取る機会を

――もしかして、ビジネス的な面よりも、世の中に与える衝撃の強さを重要視しているのでしょうか?

「江頭さんの時点では弊社がfigmaをやり始めたばかりだったので、とにかくうちなりの特徴を出したいというのが強かったですね。ビジネスよりも『こういうのもあるんだぞ』という宣伝がしたかったんです

 アニメやゲームのキャラクターのフィギュアは、好きな人であれば自ら情報を集めて買ってくれますよね。でも芸人さんならアニメ好きな人以外にもフィギュアというカルチャーを普及できるのが強いと感じました」

アクションフィギュアの遊び方は無限大

――普通のフィギュアではなく、敢えてアクションフィギュアにしたのはなぜでしょう?

「遊べるということが大きいです。SNSではアクションができるフィギュア同志を絡ませて、4コマ漫画や動画作品を作ってる人も多いんですよ。クロちゃんは芸人さんなので、ギャグをやったり、やられ役になったり、遊ぶ人のイマジネーション次第でいくらでも面白いものが作れるんです

――すでに「こういう風に遊んでみたい」という声はキャッチしていますか?

「クロちゃんは『仮面ライダードライブ』に出演していたことがあったのですが、ライダーファンはそのことを覚えていて『シーンの再現ができる!』というツイートを見ました。あとは『美少女フィギュアをクロちゃんがイジメているようなシチュエーションを作りたい』なんて書き込みも見かけます」

クロちゃん“そっくりそのまま”を目指した

――「figma クロちゃん」を作るにあたって、一番こだわった部分を教えてください。

なんとなく似てるではなく、そっくりそのままを目指しました。こういうフィギュアはゆるく作ると白けて、面白味が薄まってしまうんですよ。

 このサイズだけど、誰が見てもクロちゃん。だから面白い。顔はもちろん、小物もクロちゃんが持っていそうなGショックやスニーカーを選んで、洋服も事務所さんから貰った資料の中で最大公約数で最もクロちゃんっぽいものにしたつもりです」

――最も苦労した点はどういったところでしたか?

「やはり顔を似せることでしょうか。正直、何度も作り直しをしました。基本の素の表情を作って、そこからさらに表情替えをしていく作業があって。写真で見ると似ているのに、実物のフィギュアを見ると怖かったりもしたので、目線を少し変えるなどして調整していきました。

 実在の人物のフィギュアだと、本人を3Dスキャンしたものを小さくするやり方もあるんです。でも今回は、すべて原型師の手造りなんです。原型師に自分の考えたクロちゃんをアウトプットしてもらうやり方をとっています。あのサイズでも、顔がアップになっても似るように」

フィギュアを見たクロちゃんの反応は?

――フィギュア化にあたって、クロちゃん本人から要望はありましたか?

「特になかったです。でも、こちらから『この角度の写真が欲しい』『この表情が欲しい』とお願いすると、すぐに事務所さんがレスポンスをくれて本当に有難かったです。その上でアドバイスももらって、また作り直してを繰り返して完成に至りました。

出来上がりはクロちゃんさんにも会議室で見てもらいました。『面白いねー』って言ってくれましたが、実は内心かなり緊張してました。フィギュアの本人を前にするってドキドキでしたよ」

顔のパーツは5種類、イチオシはウインク!

――クロちゃん本人も満足の仕上がりというわけですね。顔のパーツが5種類もついていてとても豪華ですが、イチオシの表情はありますか?

「ウインクしてる顔がクロちゃんさんぽくて、少しかわいらしさもあって、会心の出来だと思います。実はあの中から良い顔を選定する予定だったんですが、あまりに出来がよくて全採用となりました

――発売を発表してから、どのような反響が寄せられていますか?

「ショップの予約ランキングでいきなり上位に食い込んだときには『おっ』と思いましたね。狙い通り、ホビーファン以外も騒いでくれているので嬉しいです。また、大きな展示会に出展した時にはお客さんだけでなく同業者からも『やりましたね!』と声をかけてもらえました。これ、自分もよく思うことなんですが良いものを作られると『やられたー!』って気持ちになるんですよね(笑)」

クロちゃんフィギュア完成まで2年費やした

――このタイミングでクロちゃんに彼女が出来たりして、注目度がアップしているのは偶然ですか?

「完全に偶然です。プロジェクト自体は2年くらい前からスタートしたものなので。でも、賛否両論ありながらも、良くも悪くもクロちゃんさんの存在が世の中で大きくなっていくタイミングで、このフィギュアを発売できたことは運が良かったとは思っています」

日本のフィギュアはハイクオリティなのを知ってほしい

――では、最後に「figma クロちゃん」を予約するか迷っている方の背中を押すようなメッセージをお願いいたします!

「高い商品ではありますが、こういったフィギュアは一度出たらもう二度と再版はされないものなんです。一期一会ではないですけど、欲しいときに手に入れないともう会うことができなくなります。

 日本のホビーフィギュアは、ひじょうにハイクオリティなものが多いのですが、それを知らない人もまだまだ多い。この機会に無駄に精巧な日本のフィギュアに興味を持ってもらえたら。そして日本のホビー業界のファンがもっと増えたらいいなと思っています」

――今後も「figma クロちゃん」に続く面白いフィギュアを作っていく予定はありますか?

「はい。定期的に作っていくメーカーだという印象を植え付けていきたいですね。またいつか、面白figmaが出たときには『あの会社、またやってる』と思ってもらえたら嬉しいです」

――ありがとうございました!

<取材・文/もちづき千代子>

【もちづき千代子】
フリーライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像エディター・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーライターとして活動を開始。度を超したぽっちゃり体型がチャームポイント。Twitter:@kyan__tama



 
   

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