猫同士の相性について聞きました!
ねこのきもちWEB MAGAZINEのアンケートにおいて、多頭飼いしている飼い主さん186人に「猫同士の相性」についてアンケートを実施しました。「猫同士の仲が悪くて困っているか」とお聞きしたところ、「はい」と答えたかたが25%、「いいえ」と答えたかたが75%という回答結果に。「はい」と答えたかたには、仲が悪いと感じたエピソードや対処法についてお聞きしました。
飼い主さんから寄せられたエピソード
・先住猫が新入り猫をなかなか受け入れず、猫パンチしたり噛んだりします。ケンカしそうなときは、あいだに寝っ転がると2匹とも私のとこに来て甘えるので、毎回寝転がっています。・「ニャーシャルディスタンス」が縮まることはありません。
・ある一定の距離を保っていないと追いかけっこになる。なるべく同じ部屋にいさせないようにする。
・先住猫の縄張り意識が高く、いたるところで妹たちに「シャー」っとしたり、猫パンチしたりしています。飼い主がいるときは飼い主の膝上に妹猫たちが避難しに来て、動けなくなることも。
・いちばん上のコが下のコたちを全く受け入れない。近づくたびに叩く。どうしたらよいのかわからない。
・先住猫がおとなしいのをいいことに、新入り猫は部屋から追い出そうと追い掛けまわしています。それを見つけたら、新入り猫をケージに入れて落ち着かせ、追い掛けると嫌なことがあると教えています。
【獣医師解説】猫同士の相性が悪いときどうしたらいい?

――猫同士の相性が悪いと感じたとき、どのくらいの期間であれば様子を見てもいいのでしょうか?
白山先生:
「猫同士の力関係や年齢、性格などによっても変わりますが、どちらか一方が激しく攻撃を受けていたり、ケガをしてしまったりする場合は、すぐに対応してあげましょう。そうでない場合も猫それぞれの様子をよく観察し、相手の存在にストレスを強く感じている場合は、早めに対策をとってあげてください」
――様子を見ていくなかで、できる対策を教えていただけますか?
白山先生:
「・猫それぞれに落ち着ける場所を用意する
・飼育している猫+1つ以上になるようトイレを多めに用意する
・フードを食べる場所と水飲み場を複数個所用意する
・上下運動できるようにキャットタワーなどを設置可能な場合は、猫が行き来できる別部屋などを用意する
ほかにも、生活の中でストレスの要因がないか確認してあげましょう。また、相手猫がいる空間でおやつなどを与えて、お互いの存在を『よいこと』と結びつけてあげるなどするといいかもしれません」
【獣医師解説】ケンカをしているときはどうしたらいい?
――目の前でケンカが始まってしまったとき、飼い主さんはどのように対応したらいいのでしょうか?白山先生:
「ケガをしない程度であれば、基本的には猫同士に任せてください。飼い主さんがケンカの仲裁に入る場合は、直接手を出すと飼い主さんがケガをしてしまうおそれがあります。そのため、わざと大きな音を出す、猫たちの間にクッションを投げる、霧吹きで水をかけるなど、一時的に猫たちの注意を逸らすようにして、ケンカを止めるといいでしょう」
【獣医師解説】どうしても仲良くなれない場合は?
――猫同士が仲良くなる様子がみられない場合、どのように生活するといいでしょうか? 住み分けなどが難しい場合の対策があれば教えてください。白山先生:
「離れた場所に固有の居場所を作ってあげたり、それぞれをケージで隔離したりするといいかもしれません。環境を整える工夫や努力をしたもののどうしても難しいと判断した場合は、新しい飼い主さんを探すということも検討したほうがいいかもしれません。先住のシニア猫が子猫を受け入れず、子猫が成長して1年ほど経ってから仲良くなった事例もあります。仲良くなれないとすぐに決めつけずに見守ってあげてください」
――ありがとうございました。猫同士が仲良くなれるように、飼い主さんが積極的に仲良くなれる環境づくりを行っていきたいですね。
(監修:ねこのきもち獣医師相談室 獣医師・白山さとこ先生)
取材・文/山村晴美
※写真はスマホアプリ「いぬ・ねこのきもち」で投稿されたものです。
※記事と写真に関連性はありませんので予めご了承ください。