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ナイジェリアのAIアーティストの「シニア・ファッションショー」が注目される理由

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 ナイジェリア人クリエイター、マリック・アフェブア(Malik Afegbua)が人工知能(AI)を使って黒人の年配モデルがランウェイを歩く画像を公開し、話題を呼んでいる。他方、現実世界においても、近年ランウェイを歩くモデルの年齢層が上がっていることが注目されている。

◆生き生きと描かれる「シニア」
 アフリカ黒人のシニア世代をモデルにしたファッションショーの一連の画像を公開したのは、ナイジェリア人の映画監督・AIアーティストのマリック・アフェブア。彼は12年前にキヤノンのカメラを入手して以降、独学で映像制作を学び、さまざまな映像を手掛けてきた。最近では、さまざまなアフリカ人デザイナーをフィーチャーしたネットフリックス・シリーズ『メイド・バイ・デザイン(Made by Design)』の番組をプロデュースするなど、映像の世界で活躍してきた。『ファッションショー・フォー・エルダーズ(Fashion Show for Elders、訳:シニアのためのファッションショー)』と名付けられた画像作品は、彼がAIの画像生成アプリ「ミッドジャーニー」を使って生成し、フォトショップでの加工を加えて完成させたものだ。


 シニアをテーマにしたアート作品の制作は、彼の母親との絆がきっかけになっている。彼の父親は元パイロットで家を空けることが多く、結果的に彼と彼の兄弟は母親との関係を深めた。昨年、その母親が12時間のフライトの後に、何度も発作を起こした。治療の結果、現在回復しつつあるが、毎日のように会話をしていた親しい関係にある母親を失いかけたという経験と、母親とコミュニケーションを取れないという苦痛が、彼を創作活動へとかき立てた。しばしば無視され、社会の隅に追いやられがちな高齢者のイメージを変えたいという思いが芽生えたそうだ。

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 AIを使った創作活動は、必ずしもスムーズなものではなかった。たとえば、黒人のアメリカ人(Black Americans)と黒人のアフリカ人(Black Africans)というキーワードでは違う画像が生成され、さらにはアフリカ人という単語が入ると、その見た目はファッショナブルさに欠けており、置かれている環境も劣っているものだったそうだ。アフェブアはAI検索を繰り返すことでAIに学習させ、AIが生成する黒人画像の質を改善させたとCNNに語った。

◆ファッション界のエイジズム
 アフェブアのバーチャル世界のファッションショーは注目を集め、インスタグラムのある投稿には4万7000以上の「いいね!」がついている。架空のアフリカの国が舞台で、アフロフューチャリズムのテーマを世界に拡散させた映画『ブラックパンサー』の、コスチュームデザイナーを務めたルース・カーターも賞賛の声を上げるなど、彼の作品はアート界、映画界、メディアから大きな注目を集めている

 彼の作品が大きな注目を集める背景には、シニア、特に黒人モデルがランウェイを歩くということが現実世界において非常に限られていることや、アフェブア自身が語るようなシニア世代に対するネガティブな見方が存在する。また、ファッション世界においては、モデルといえば若者がもてはやされるという時代が続いてきた。

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