
【リヤド(サウジアラビア)AFP=時事】中東の大国であるサウジアラビアとイランが先週、中国の仲介で外交関係の正常化に合意したことは、世界を驚かせた。同国の習近平国家主席が、サウジの事実上の指導者ムハンマド・ビン・サルマン皇太子に「橋渡し」役を買って出たことがはじまりだったと、匿名で取材に応じたサウジ高官が15日、明らかにした。≪写真はイラン〈左〉、サウジアラビアの国旗≫
習氏は昨年12月、サウジの首都リヤドで行われた首脳会談の際に「サウジとイランの懸け橋になりたい」と仲介を申し出て、ムハンマド皇太子がこれを受け入れたという。
この高官によるとサウジは中国について、中東で比類のない「影響力」を行使できる極めて「独自」の立場にあるとみなしている。「特にイランにとって中国は他に代えがたい、1、2位を争う国際パートナーだ」と述べた。
サウジとイランの対話の下地は、リヤド会談以降もいくつかの閣僚級会合を通して整えられたという。
サウジアラビアは歴史的に米国と緊密な関係を築いてきただけに、中国の関与は驚きをもって受け止められてもいる。
この高官によると、米国にはサウジから事前に説明があった。「米国も中国も非常に重要なパートナーであり、わが国はこの2大国間の競争や紛争の当事者にはなりたくない」と語った。
米国のアントニー・ブリンケン国務長官は15日、「わが国からすれば、緊張緩和や紛争回避につながり、イランによる危険かつ不安定な動きを少しでも抑止できるのであれば、どのようなことでも助けになる」と控えめに称賛した。【翻訳編集AFPBBNews】