
本記事は、村山 和世氏の書籍『わが子を不登校・引きこもりにしないための十ヵ条』(幻冬舎ルネッサンス新社)より、一部抜粋・編集したものです。
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第二条「形を求めすぎない」
考えないようになるクセ
B介くん(長男)は、小学校に入学した段階で、すでに極端に学力不振であった。
Bさんは教育熱心なので知育については、たいへん努力していた。だから、B介くんは小学校に入るまでは普通に話をするし、全く遊べないわけでもないので、幼稚園時代には、「おとなしい」「目立たない」「男の子の割には走り回らない子」というふうに、周囲から見られているだけだった。
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しかし、実は、その子には重大な欠陥があったのである。
母親に行動を強制されたり、規制されたりすることが多いために、「考えない」というよりも、「考えられない」「考えないようになる」というようなクセが、強烈についてしまっていたのだ。
そういう心のクセが強烈についてしまうと、勉強ができなくなるのが当然である。
なぜなら、私たちは学習とは、主に「覚える事」が主体と思いやすいが、実は、人間は理解できないことは覚えられないのである。算数の簡単な足し算にしても、まず「数字の並び方」「一つずつふえるということ」などが分かっていないとできないのである。易しい漢字にしても、その読み方や意味が分かっていて、はじめて正確に覚えられるのだ。
そして、さらに自分が考えて取り込んだ事や、覚えたことに「自信」がないと、それを表現する事(答を書くこと)や、次の段階に進んでさらに知識を取り込もうとするエネルギーを出す事ができないのである。
「自信がある人」というのは、成人の場合何かをやりとげられた人である。社会的に認められたら自信のある人になるということではない。社会的に評価されていても、内奥(ないおう)は、「不安で、不安で…」という人も少なくない。