
合わない上司とは働かなくていい。職場内の人間関係を良好に保とうと札幌市の企業が導入したある制度が話題になっている。
【映像】見れば自分にあった上司を選べる? 上司の“特徴”を網羅した「班長活用マニュアル」
「いまの上司と合わないという部下が別の上司の部署にいける制度」(さくら構造・田中真一代表)
建物の耐震設計を行う会社「さくら構造」。こうした“上司選択制度”を導入している社員約100人を抱える会社だ。「部下が上司を選択できる」とはどういうことなのか。代表の田中真一氏に話を聞いた。
「年に1度社員に『どの上司と働きたいか』というアンケートを取って、結果をもとに基本的には第一希望の上司と働ける。まずは(上司を)選べるよう、上司の性格や強み・弱みを全部網羅したマニュアルを作った。社員には上司の「数字達成力」「部下指導」などの項目に○×△を付けて、どの上司と働きたいか選んでもらうといった手順を踏んでいる」
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部下が上司を選ぶ際の参考となっているのが「班長活用マニュアル」。社長を含めた上司の特徴が一覧表になっていて、それぞれの強みや弱み、うまく付き合う方法などが書かれている。これをもとに部下は上司を選択する。

実際、社員はどのように感じているのだろうか。上司の1人である山本健介氏に話をきいた。
「(自分の)強み弱みを開示したうえで選んでいただいているので、『こういう班長(上司)なんだ』とわかってきてくれている人が集まっている。私の場合だと『朝が弱い』とマニュアルに書いていて、班員はそれを理解して寄り添ってくれる。非常に助けられながらやっている」
朝が弱いという山本氏。同じ班で仕事をする部下は、山本氏の弱点についてこう話す。
「朝いないことに対して怒ることはない。相談やチェックしてほしいものも、朝一にいないのはわかっているので前日や午後に相談するようにしている」
「上司選択制度」導入から4年。過去には人気のなかった上司もいたそうで、チームを解散させることもあったという。
